ディスカウントストアのドン・キホーテなどを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)は8月12日、オンラインで2020年6月期の業績説明会を開いた。内容をテキストマイニングして分析したところ、「増収増益」「変化」「業態」といったキーワードが焦点になっていた。
20年6月期は、31期連続の増収増益となった。説明会の冒頭では、安田隆夫創業会長兼最高顧問のビデオメッセージが紹介された。安田会長は新型コロナウイルスの影響で、優位な立地が都市部や駅近から郊外型のロードサイド店舗へ「短期間かつ劇的に」逆転したが、多様な立地に展開する同社はインバウンド需要の蒸発をロードサイド店で補えたと強調した。
コロナ禍によって海外で見られた変化として、米国のスーパーマーケットチェーンや惣菜販売のデリカ店などの記録的な好調を例示し、東南アジアに新たに進出した日本産食品の専門店「ドンドンドンキ」は、コロナ前にも増して絶好調だとも述べた。「安心、安全で美味な日本産品をリーズナブルに買える業態が消費者に評価されて人気になっている」という。
アナリストやマスコミの質問で目立った単語は「業態」だ。同社は、買収したユニーの総合スーパー「アピタ」「ピアゴ」の店舗に、ドン・キホーテの特徴的な店舗レイアウトを掛け合わせた「MEGAドン・キホーテUNY」などへ業態転換を進めている。業態転換を手がけているUDリテールセグメントの20年6月期は53億円の営業赤字だった。
吉田直樹社長兼最高経営責任者(CEO)は、「業態転換は順調に進捗しており、コロナ後の多様なニーズに対応できる経営を進めていく」との方針を示した。(QUICK Market Eyes 阿部哲太郎)