情報セキュリティ、医療情報クラウドサービスで投資家の注目を集める
「当社は、近年、社会的に関心が高まってきている、サイバー攻撃の悪質化・高度化に対応した情報セキュリティのサービスを提供しております。また、医療に関するビジネスも展開しております。このことから個人・機関投資家を問わず、当社の事業に関心を持つ投資家が増えていると考えています」と語るのは、コーポレート本部 経営企画部の西氏。テクマトリックスは、2005年 ジャスダック上場、2010年 東証2部、2013年 東証1部とステップアップしてきた。
株主優待制度の導入は2012年。その狙いは、(1)日ごろ支援してくれる株主への感謝、(2)株主優待への関心をきっかけに投資魅力に気づいてもらうこと、(3)株式を中長期的に保有してくれる株主を増やすということだという。直近では、株主数が5,937人(2020年3月末)で、「個人投資家を中心に、当社に関心を持っていただく機会の創出になっていると考えています」(西氏)とのことだ。
事業は、情報基盤事業・アプリケーション・サービス事業とも好調
テクマトリックスのビジネスは、大きくわけて2つの事業により構成されている。(1)情報基盤事業は、ネットワーク・セキュリティのソリューションおよび保守、運用・監視サービスを提供。IT関連のソフトウェアやハードウェアなど情報基盤の構築と導入から監視サービスまでシステムのライフサイクル全てをカバーする。また、(2)アプリケーション・サービス事業は、医療・CRM(顧客情報管理)・ビジネスソリューション・ソフトウェア品質保証分野などに事業を展開する。
業績は好調で、昨年度は売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも過去最高を記録した。株価は右肩上がりの上昇を続けており、2019年3月末に925.5円(分割修正済み)だった株価は、直近では2000円を超えている。
株式数でみた保有比率は、6~7割が機関投資家だ。うち、外国法人の保有比率が3割近くあり、近年増加傾向が続いている。「個人株主は、株式数でみた保有比率が2割強で減少傾向ですが、株主数でみると増加しています。幅広い投資家に株式を保有していただけるよう、今後も努力していきたいと考えています」(コーポレート本部 経営企画部 竜野氏)と株主層の拡大に前向きだ。
昨年から株主優待の内容を拡充
株主優待の内容は、昨年(2019年)に拡充した。提供内容を、500株以上の株主は1,000円相当から1,500円相当、1,000株以上の株主は3,000円相当から4,000円相当に増額した。また、2020年6月末には1:2の株式分割を行ったが、株主優待について対象株数を株主分割の前後で変更しないことで、実質的に優待品を受け取れる株主のハードルを下げた。
株主優待に関連する業務は、西氏と竜野氏の2名で担当している。今年の株主優待(2020年9月末)の内容は、同社のホームページで公表している。5種類の食品、または「日本ユニセフ協会」「あしなが育英会」への寄付から選択できる。「人気のある優待品は、カレー(500株以上)、ハムやお肉(1,000株以上)です。今年は新型コロナの影響で日持ちする食品の需要が高まっていることから、乾麺(500株以上:讃岐うどん、1000株以上:手延三輪素麺二年物)も選定しました」(竜野氏)。
テクマトリックスは、期末(3月末)に配当、中間期(9月末)に株主優待を提供してきた。昨年(2019年)は、ストック型ビジネスの拡大が奏功したことにより、特に上期の収益性が改善してきたことから、初めて中間期に配当を実施した。「個人投資家の方から本年度の配当金に関するお問い合わせを多くいただいておりますが、特に本年は、今後の経済動向ならび当社業績についても先行きが見通しにくいところがございます。中間期(2020年9月末)の株主還元、ひいては年間通しての株主還元につきましては、内部留保とのバランスを総合的に判断して決定していきたいと考えています」(西氏)。
テクマトリックスは、個人投資家の関心をあつめる方法として、株主優待をうまく活用している。
≪対象株主≫
毎年9月30日現在の株主名簿に記載または記録された当社株式を500株以上の保有する株主とする。
≪優待内容≫
カタログギフト形式で、商品または寄付を1点選択。
500株以上1,000株未満(1,500円相当)
(1)北海道 鮭三昧
(2)横浜本牧亭 ビーフカレー 中辛
(3)お茶漬け・有明海産 味付海苔詰合せ 「和の宴」
(4)讃岐うどん
(5)<豆和菓>豆菓子・お茶詰合せ
1,000株以上(4,000円相当)
(1)松阪牛すき焼用
(2)伊藤ハム ハム詰合わせ
(3)いくら醤油漬け
(4)手延三輪素麺 二年物
(5)京都 北川半兵衛 お抹茶アイスセット
[寄付]
保有株式数に応じた金額を、「公益財団法人 日本ユニセフ協会」または「一般財団法人 あしなが育英会」へ寄付することができる。
【適用時期】
2020年9月30日現在の当社株主名簿に記載または記録された500株以上の当社株式を保有する株主より適用。
情報基盤技術のインテグレーションや、顧客の抱える問題領域における実践的なノウハウを実装したアプリケーションの提供などを行う、ITシステム・コンサルティング企業。
情報基盤事業は、ネットワーク・セキュリティのソリューションおよび保守、運用・監視サービスを提供。IT関連のソフトウェアやハードウェアなど情報基盤の構築と導入から監視サービスまでシステムのライフサイクル全てをカバーする。また、アプリケーション・サービス事業は医療、CRM(顧客情報管理)、ビジネスソリューション、ソフトウェア品質保証分野などに事業を展開する。
1984年、ニチメンの営業部門の子会社として設立。96年、業務パッケージ事業に参入、CRMパッケージ「FastHelp」を自社開発し販売。98年、DICOM対応医用画像サーバ「現 SDS Image Server」を自社開発し販売を開始。2000年、ニチメンの連結子会社から外れる。同年、社名をテクマトリックスに変更。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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