来週(10月26~30日)の外国為替市場で円相場は1ドル=105円近辺の横ばい圏で推移しそうだ。米大統領選が11月3日に迫り、市場参加者の間では様子見ムードが強まっている。積極的な売買が手控えられ、円の対ドル相場は方向感が乏しい展開となるだろう。
米欧では7~9月期の国内総生産(GDP)速報値が発表となる。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大きく落ち込んだ4~6月期と比べ、どの程度回復するかに注目が集まる。ただ市場では、仮に成長率が予想以上に伸びたとしても、最近の欧米を中心とする感染再拡大を踏まえるとリスク運用には傾きにくいとの見方もある。「今回のGDPの結果は長期的なトレンドには発展しないだろう」(ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔氏)との声が聞かれた。
日経平均株価も方向感を欠く展開となりそうだ。米大統領選の成り行きを見極めたいとして持ち高を一方に傾ける動きは限られるだろう。政府の需要喚起策「Go To キャンペーン」などによる国内の景気回復期待は引き続き株価の下支え要因となる。米国の大統領選や追加の経済対策を巡る不透明感から下落局面があったとしても、2万3500円付近では下値が固いだろうとの見方があった。
国内主要企業の決算発表が本格化する。既に発表された4~9月期決算には、製造業を中心に4~6月期と比べ持ち直しを示す内容がみられた。中国向けの工作機械受注の増加などを支えに、来週発表を予定する企業の業績にも回復期待が出ている。とはいえ市場では「個別株の物色は続きそうだが、米大統領選を前に様子見姿勢も根強く(決算発表が)日経平均を大きく動かす材料にはなりにくい」(国内中堅証券のストラテジスト)との声が聞かれた。
【主な予定】
◇26日(月)
・臨時国会召集
・9月の企業向けサービス価格指数(日銀、8:50)
・8月の景気動向指数確報値(内閣府、14:00)
・9月の外食売上高(日本フードサービス協会、14:00)
・4~9月期決算=日電産、日東電
・1~9月期決算=キヤノン
・中国共産党の第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が開幕(29日まで)
・ニュージーランドが休場
・香港が休場
・10月の独Ifo企業景況感指数
・9月の米新築住宅販売件数(23:00)
・海外7~9月期決算=トゥイリオ
◇27日(火)
・閣議
・2年物利付国債の入札(財務省、10:30)
・マザーズ上場=カラダノート
・4~9月期決算=日清粉G、野村不HD、信越化、日立金、日立建機、富士通、HOYA、松井、マネックスG、沢田HD、ANAHD
・1~9月期決算=ヒューリック
・7~9月期決算=グリー
・7~9月期の韓国国内総生産(GDP)速報値(8:00)
・1~9月の中国工業企業利益(10:30)
・9月の米耐久財受注額(21:30)
・8月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(22:00)
・10月の米消費者信頼感指数(23:00)
・海外7~9月期決算=スリーエム(3M)、ファイザー、キャタピラー、レイセオン・テクノロジーズ、マイクロソフト、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、メルク
◇28日(水)
・日銀金融政策決定会合(29日まで)
・全国財務局長会議(10:00)
・清田日本取引所CEOの記者会見(15:30)
・マザーズ上場=さくらさくプラス、プレミアアンチエイジング
・4~9月期決算=イビデン、コマツ、日立、ソニー、今村証券、スクリン、SBI、野村、日本取引所、藍沢、JR東日本、JR東海、東電HD
・1~9月期決算=LINE、花王、日電硝
・7~9月期の豪消費者物価指数(CPI、9:30)
・インドネシアが休場
・ブラジル中銀が政策金利を発表
・海外7~9月期決算=アムジェン、ゼネラル・エレクトリック(GE)、フォード・モーター、ビザ、イーベイ、ボーイング、UPS、マスターカード、ギリアド・サイエンシズ、ファストリー
◇29日(木)
・9月の商業動態統計(経産省、8:50)
・対外・対内証券売買契約(週間、財務省、8:50)
・9月の建設機械出荷額(建設機械工業会、13:00)
・10月の消費動向調査(内閣府、14:00)
・日銀金融政策決定会合の結果公表
・10月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」(日銀)
・日銀の黒田東彦総裁が記者会見
・4~9月期決算=積水化、武田、小野薬、OLC、コニカミノル、豊田織、ジェイテクト、三菱電、富士電機、オムロン、NEC、OKI、エプソン、パナソニック、アンリツ、アドテスト、デンソー、ファナック、ローム、京セラ、川重、日野自、アイシン、豊田通商、東エレク、大和、岡三、丸三、東洋、水戸、いちよし、極東証券、NTTドコモ、関西電、東ガス、大ガス
・1~9月期決算=AGC、ルネサス
・マレーシア、インドネシアが休場
・10月の独失業率(17:55)
・10月の独CPI速報値
・週間の米新規失業保険申請件数(21:30)
・7~9月期の米実質GDP(速報値、21:30)
・欧州中央銀行(ECB)理事会の結果発表(21:45)
・ラガルドECB総裁が記者会見(22:30)
・9月の米仮契約住宅販売指数(23:00)
・海外7~9月期決算=アルファベット、ツイッター、スターバックス、スポティファイ・テクノロジー、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム
◇30日(金)
・閣議
・10月の都区部消費者物価指数(CPI、総務省、8:30)
・9月と7~9月期の完全失業率(総務省、8:30)
・9月の有効求人倍率(厚労省、8:30)
・9月の鉱工業生産指数速報値(経産省、8:50)
・3カ月物国庫短期証券の入札(財務省、10:20)
・9月の住宅着工(国交省、14:00)
・10月の為替介入実績(財務省、19:00)
・マザーズ上場=Retty
・4~9月期決算=双日、住友化、宇部興、アステラス、塩野義、第一三共、ZHD、TOTO、ガイシ、LIXILグ、オークマ、住友重、NTN、TDK、アルプスアル、キーエンス、村田製、三菱重、三井物、H2Oリテイ、東海東京、JR西日本、日通、ヤマトHD、商船三井、SGHD、JAL、KDDI、中部電、Jパワー
・1~9月期決算=JT、協和キリン
・7~9月期決算=メルカリ
・7~9月期の香港域内総生産(GDP、17:30)
・インドネシアが休場
・7~9月期の仏GDP速報値
・7~9月期の独GDP速報値
・7~9月期のユーロ圏GDP速報値(19:00)
・9月のユーロ圏失業率(19:00)
・10月のユーロ圏消費者物価指数(HICP、速報値、19:00)
・9月の米個人所得・個人消費支出(PCE)(21:30)
・10月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI、22:45)
・10月の米消費者態度指数(確報値、ミシガン大学調べ、23:00)
・海外7~9月期決算=エクソンモービル、シェブロン
◇31日(土)
・10月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI、10:00)
・10月の中国非製造業PMI(10:00)
◇11月1日(日)
・米国が冬時間に移行
(注)時間は日本時間
〔日経QUICKニュース(NQN)〕