創業や会社設立から節目の年にイベントを開催したり、記念配当を出したりする会社が多い。「QUICKリサーチネット」を使って2021年に創業100周年記念を迎える会社を調べた。
■記念配当や特設サイトでカウントダウンも
寺岡製作所(4987)は10月28日、2021年2月11日に創業100周年を迎えるのにあたり、21年3月期末配当は普通配当5円に加え、記念配当4円を出す予定だと発表した。
蛇の目ミシン工業(6445)は創業100周年記念サイトを記念日の1年前にあたる2020年10月16日にオープンしたとホームページで伝えた。
2021年3月に創業100周年のシマノ(7309)は「100周年特設サイト」で、あと何日何時間何分何秒というカウントダウンを表示している。
これらの3社のように、周年の起点を、株式会社として登記した「設立日」ではなく、個人商店などの「創業日」にする会社も少なくない。
■「沿革と事業内容」は設立年だけでなく創業年も記載
会社の創業100周年記念の情報をどうやって調べたらよいのか。「QUICKリサーチネット」のフリーワードの検索窓に「1921年」「1921年*(AND)創業」などと入力してヒットした会社の「沿革と事業内容」を見て、「1921年創業」とわかった会社について各社のホームページを調べるという方法を採用した。
「QUICKリサーチネット」で提供するQUICK企業価値研究所による個別銘柄レポートの「沿革と事業内容」では最後の段落に会社の沿革を載せている。有価証券報告書には設立年月しか掲載していない会社も多いが、「沿革と事業内容」は創業年についても会社のホームページなどで確認できれば盛り込んでいる。
寺岡製作所の「沿革と事業内容」には「1921年、ブラックテープおよびゴムテープ類の製造を目的に寺岡製作所を個人創業。37年、合資会社に改組。43年、株式会社に改組」とある。同社の創業が1921年、株式会社の設立は1943年とわかる。
蛇の目ミシン工業は「1921年、パイン裁縫機械製作所を創設。社名を帝国ミシン、蛇の目ミシンと変え、50年に設立した蛇の目産業が継承」とある。
シマノは「1921年、島野鉄工所として創立し、自転車部品フリーホイールの製造を開始。40年、株式会社に改組」とあり、創業年と株式会社の設立年を把握できる。
■「創業」ではなく「設立」を起点に周年の会社も
一方、「創業」ではなく「設立」から数えて周年を決め、記念行事を開催したり記念配当を計画したりする会社もある。
例えば、スズキ(7269)は2020年3月期末に創立100周年記念配当を出した。「沿革と事業内容」によると「1909年、浜松市に鈴木式織機製作所として創業。20年、鈴木式織機に改組設立」とある。
創業年や設立年がわかっても1つの手掛かりに過ぎず、個々にどちらを起点に周年記念イベントを計画しているか調べる必要があるわけだ。
創業100周年の会社をいくつか取り上げたが、「QUICKリサーチネット」の検索機能を使えば、創業50周年でも何年目の周年記念でも調べることが可能だ。「沿革と事業内容」で個々の会社の来歴に触れると、その会社に対する理解が一段と深まるだろう。(QUICKリサーチ本部 遠藤大義)