【QUICK Market Eyes 阿部 哲太郎】貸駐車場最大手のパーク24(4666)が12月16日にオンラインで開いた2020年10月期連結決算の説明会では、カーシェアリングやレンタカーサービスの「モビリティ」、「海外事業」、一部を資本に計上できる「劣後ローン」などに話題が集中していたことがわかった。説明会の内容をテキストマイニングし、分析した。
20年10月期は営業損益が146億円の赤字(前の期は223億円の黒字)に転落した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国内外の外出制限や自粛などを受け駐車場の利用が一時的に急減した。売上高は前の期比15%減の2689億円と、上場来初の減収・営業赤字となった。
最終損益は466億円の赤字(同123億円の黒字)だった。海外事業でのれんや無形資産、国内外で不採算物件の減損損失を計上し、特別損失は340億円になった。西川光一社長は「モビリティ事業はこれから5年間くらいは成長の大きなドライバーになっていく」と強調し、コロナ後の成長に向け財務の健全化などに取り組む方針を示した。
5月に大きく落ち込んだモビリティ事業だが6~8月には会社計画を大きく上回った。中長期の成長戦略の一つとして西川社長は「カーシェアとレンタカーの融合をさらに強力に進める」と指摘、レンタカーの営業所の車をカーシェアにすることで短時間で借りられるうえ、チャイルドシートやスタッドレスタイヤの装着など人の手を介したサービスが提供できるといった利点を挙げた。
英国やオーストラリアなどのロックダウンの影響などで前期の「海外事業」は、会社計画を下回る苦戦が続いた。今期の売上高は19年10月期の6~8割の水準で推移すると見込み、賃料改定やメンテナンスの見直しで赤字幅の縮小を目指す。もっとも、中長期では各国で駐車場開発を促進し、親和性の高いモビリティ事業を展開する計画だ。西川社長は「5年後から10年後の成長ドライバ―になるよう準備を進める」との方針を示した。
15日に財務健全化のため一部を資本に計上できる劣後特約付きシンジケートローンで500億円を調達すると発表したのを受け、アナリストやマスコミとの質疑応答では「劣後ローン」がテーマになった。西川社長は「新型コロナでの業績の悪化とのれんの減損で財務基盤が急激に悪化した」とする一方、新株発行を伴うエクイティファイナンスは「既存株主のことを考えると選択肢には無く、様々な検討の結果、今回は劣後ローンが一番良い選択肢ではないか」との結論に至ったと説明した。