【QUICK Money World 吉田 晃宗】来週(2月8日~)の上場REIT(不動産投資信託)市場を展望するために、QUICKが今週配信したREIT関連ニュースを振り返った。市場では、出遅れ感のある業種・セクターが買われているという指摘が相次いでいる。来週、REITの決算発表は予定されていない。
今週の主要REIT指標の騰落率は以下となる。REIT相場は物流が堅調だったものの、全体の上値は重い。
銘柄名 | 騰落率(%) |
東証REIT指数 | +0.28 |
東証REITオフィス | -0.15 |
東証REIT住宅 | -0.40 |
東証REIT商業 | +0.87 |
東証REIT物流フォーカス | +1.74 |
■J-REIT、2カ月連続でTOPIXをOP、「前向きな見方が広がっている」=野村証(2/1)
1月の東証REIT指数は3.5%高と3カ月連続で上昇した。2カ月連続で東証株価指数(TOPIX)をアウトパフォーム(OP)した。
野村証券は29日付のJ-REIT(日本の上場不動産投資信託)リポートで、最近のJ-REIT相場が上昇している背景の一つに、新型コロナ禍でも各社の業績が比較的しっかりしていることが考えられると指摘。29日に予想DPS(1口当たり分配金)を引き上げた東急RE(8957)に代表されるように、「J-REITセクターでは、新型コロナの影響が慎重に見込まれていた各社の業績が計画を上回って着地するケースが多くなっており、前向きな見方が市場参加者の間で広がっている」との見方も示されている。
また、格付会社からJ-REITの長期発行体格付の見通しが引き上げられる事例も見られていることも安心感に繋がっているとも指摘した。
リポートでは、「J-REIT相場は日本株相場に対する歪で顕著な出遅れをようやく取り戻し始めたところと見え、まだ過熱感を警戒するには至らない」との見方も示されている。(QUICK Market Eyes 大野弘貴)
■J-REIT、リスク耐久力や良好な需給環境が相場押し上げへ=SMBC日興(2/2)
SMBC日興証券は1日付のJ-REIT(日本の上場不動産投資信託)リポートで、1月の東証REIT指数が3.5%高と好調発進する中、オフィス及び商業、物流が相対的に好調で、住宅が相対的に軟調だったと振り返った。
また、1月に国内の一部都府県で緊急事態宣言が発令されたものの、下げ幅は限定的になったことから、「悪材料への耐久力がついてきた」と指摘。
加えて、例年1月はJ-REITによる公募増資発表が多く需給悪化で相場が下落する傾向にあるが、「今回に関しては前四半期に前倒しで増資実施済みであるREITが多く、需給環境が良好であったことも底堅いパフォーマンスにつながった」と分析した。
リスクへの耐久力や良好な需給環境が相場を押し上げるとの見方が示されている。(QUICK Market Eyes 大野弘貴)
■「REITは出遅れ感のあるホテル・オフィス系が買われてます」(2/3)
「年金さん、生保さんなど国内勢は戻り売りですね。2万8000円台半ばではどうしても利食いが優勢です。一方、米系証券経由では自動車・電子部品の買いが来ています。足元では米株高を受けてグロース株が強いですが、決算シーズンが一巡した月半ば頃にはバリュー株が見直される展開に切り替わるとみています。自動車セクターはバリュー株でしょうけど、デンソー(6902)のような大化けした銘柄はどう見れば良いのでしょうw
東証REIT指数(155)が強いですが、全体的には売りが多い感じですかね? ただ物流系の売りの一方、出遅れ感のあるホテル・オフィス系は買われていますので、指数的にはしっかりかなと。
緊急事態宣言が延長されましたが、個人的には一切、気にしておりません!」(国内証券トレーダー)(QUICK Market Eyes 片平正二)
■「出遅れ業種が強い。早くもアフター・コロナの様相」(2/4)
「業種別東証株価指数(TOPIX)では証券や海運に加え、コロナで打撃を受けた空運や鉄鋼、低金利の余波を受けた銀行も強いです。ショートスクイーズの想起も未だ残っており、出遅れ業種が強いです。REITではホテル系も強い。最近の株式市場では早くもアフター・コロナの様相です。ところで、いつワクチン接種が開始されるのでしょうか」(国内証券)(QUICK Market Eyes 大野弘貴)
■出遅れ物色、REITにも(2/4)
4日は業種別東証株価指数(TOPIX)の海運や石油、空運などの新型コロナウイルスの感染拡大が業績への逆風となった銘柄への買い意欲が強まる展開となっている。
日本の上場不動産投資信託(REIT)における個別銘柄の動向を見ても、20年3月の急落以降、軟調な値動きとなっていたホテル系やオフィス系などの上昇が直近目立っている。
「昨年の下半期以降、月初はバリュー株がグロース株に対し相対的に強含むことが多くなってきた。ただ、月末にリバーサルの動きになることが多いので、継続して出遅れ株が買われるかどうかは慎重に見極めたいところ」(国内運用機関)との声が聞かれた。(QUICK Market Eyes 大野弘貴)