QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2022/03/09)
・前期は受注・業績の回復進む。今期は営業最高益へ
21/12期は工作機械の需要が世界各地、多くの業種で回復し、受注、業績の改善が進展。営業利益は前期比2.2倍の231億円に拡大した。会社は22/12期業績の続伸を計画、営業利益は400億円と1979年の上場以来、過去最高の更新を見込む。企業価値研究所も22/12期業績の続伸を予想し、営業利益は420億円を見込む。受注回復のモメンタムが継続していることや、豊富な受注残等を勘案した。会社計画は概ね達成可能とみる。ウクライナ情勢の直接的な影響は軽微とみるが、売上規模の大きい欧州の販売減速やユーロ安等の影響を注視したい。
・来・再来期と業績続伸を見込む
当研究所は23/12期、24/12期と業績続伸を予想。半導体やEV関連の需要、自動化投資の需要等を下支えに受注の堅調な推移を見込み、豊富な受注残を背景に増収を予想。各種コストの増加を見込むが、値上げや高付加価値品の拡販効果等もあり、利益率改善を見込む。会社が示す中期業績目標(24/12期売上収益4800億円程度、営業利益500億円以上等)は現状では若干保守的とみる。当面は増益に伴い増配基調を見込む。
・リスクファクター ~ウクライナ情勢、部材不足等
・アナリストの投資判断 ~当面PERは高まり難いとみるが利益回復期待は下支えに
株価は直近で軟調。当研究所の22/12期予想PERは約7倍、実績PBRは約0.8倍で、現状の機械セクターの平均や同社のここ数年の平均的水準を大きく下回る。当面はウクライナ問題に端を発した相場全体の環境の悪化や欧州経済の減速への懸念などを背景に、PERは高まり難い可能性があるとみる。ただ、豊富な受注残を背景とした利益回復への期待は株価の下支えになるとみており、現状の株価水準からは一定の反発余地があるとみる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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