QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2022/07/28)
・海外は買収先とのシナジー創出に加えドル高効果も
連結営業利益の企業価値研究所予想は業績表の通り。昨年5月に取得したSpeedwayとのシナジー創出にドル高効果(当研究所想定135円/ドル)も加わる海外コンビニを牽引役に成長が続こう。前回比では水道光熱費増大や米国での人件費高騰をドル高進行で吸収するとみるが、米7-Elevenの営業利益予想(ドルベース)は販管費増大を主因に減額。既にコスト構造改革に着手しており、今後の販管費抑制に期待。Speedwayでは物価高騰で足元タバコが苦戦中だが、7-Eleven流の品揃えへの変更などシナジー創出は順調(22年度1Qは1.3億ドル創出)。
・そごう・西武など構造改革分野の戦略的見直しを注視
会社側が進める事業構成や資産配分の見直しに引き続き注目しており、そごう・西武など重点構造改革分野の戦略的見直し(売却検討など)を注視したい。前期始動の中計では26/2期目標(下限)としてEBITDA1兆円、ROE10%、EPS年率15%成長(21/2期比)などを標榜。当研究所は25/2期EBITDA1兆円超、EPS年率16%成長(21/2期→25/2期)を見込むが、ROE目標のハードルは高いだけに、海外成長や構造改革分野売却などによる資本回収を成長投資、株主還元充実に充てる具体策(今期公表予定)が待たれる。
・リスクファクター ~為替・原油相場の変動リスクなど
・アナリストの投資判断 ~来期予想PER16倍と割安感強い(19/2期平均20倍)
当研究所予想に基づくPERは今期18倍、来期16倍。「24時間営業問題」前の19/2期平均20倍と比べ割安感が強い。Speedwayとのシナジー創出確認に加え、そごう・西武など重点構造改革分野の戦略的見直しの進捗、資産配分見直しの具体策公表などが株価水準訂正に向けた契機として期待される。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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