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キヤノン(7751) 円安などにより売上高、営業利益予想を増額修正

QUICK企業価値研究所アナリスト 谷林正行(2022/08/03)

・今期予想は営業33%増益へ
 企業価値研究所は22/12期の連結予想営業利益を3630億円→3750億円(前期比33%増)に引き上げた。3Q以降の為替レートの前提を円安方向に見直したことから、売上高、営業利益とも増額した。来期以降は連結全体で緩やかな増収・営業増益が続くとみているが、メディカルは米国での販売力強化などにより2桁営業増益が続くと想定している。

・2Qは値上げ効果がコスト増を上回る
 サプライチェーンの混乱が続くなか、部材調達や物流費などのコスト増を販売価格へ転嫁できるかどうかが注目ポイントとなっている。同社の2Qは値上げ効果がコスト増を上回った。ただ、会社側は下期に売り上げ拡大のために販促費などを投じるとしている。

・22/12期上期の営業利益は前年同期比18%増
 22/12期上期の連結営業利益は1746億円(前年同期比18%増)となった。2Q3カ月では27%増で、1Qの8%増よりも増益率が高まった。

・リスクファクター ~海外依存度の高さ、提携先の業況など

・アナリストの投資判断 ~値上げ効果をポジティブにみるが、会社側の営業戦略は要注視
 当研究所では今後の株価について、為替相場の変動など不透明要因があるものの、株式相場全体の値動きに対してややポジティブにみている。今後の業績をみるうえでポイントとなる値上げ効果が2Q実績で確認されたため。ただ通期計画において会社側は販促費などの投下を見込んでおり、コスト増の影響を計画に織り込んでいる。これは保守的な見方と考えられるが、上値を重くする要因になる可能性がある。会社側の営業戦略を注視したい。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

谷林 正行

シニアアナリスト

民生エレクトロニクス、精密機器、総合重機セクター担当


【プロフィール】
東京大学工学部反応化学科卒、山一証券経済研究所入社、ベンチャーキャピタル、格付機関、IRコンサルティング会社を経て現在に至る。
新技術、テーマを中心としたレポート作成やベンチャー企業の将来性の判断、財務面を中心とした企業分析など、過去に携わった業務経験を活かし、様々な視点から対象企業を分析することを心掛けている。


日本証券アナリスト協会検定会員

日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 電気・精密機器、機械専門部会 評価実施アナリスト


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