QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2022/08/05)
・長期にわたるエンジンの認証申請の不正が判明
同社は3月4日に、エンジン認証の不正が発覚したと発表。その後、外部有識者で構成される特別調査委員会に調査を委嘱していたが、8月2日に特別調査委員会から受領した調査報告書を公表した。今回の調査で、長期にわたるエンジンの認証申請に係る不正の事実が判明した。特別調査委員会の調査に加え、並行して進めてきた同社の技術検証により、不正対象台数、リコール対象台数とも増加することとなった。さらに特別調査委員会では、現行より一つ前の規制モデルと、オフロードエンジンの不正も新たに指摘した。
・不透明感強く、当研究所の業績予想を再び取り下げ
企業価値研究所では、今回の公表を踏まえて業績予想を再度取り下げる。従来予想からの変化点としては、(1)現行の販売車種の中での不正対象台数、出荷停止台数の拡大による国内向け販売台数の更なる落ち込み、(2)リコール対象台数の拡大による新たなリコール費用の発生、(3)税制優遇を不正に受けていたことに対する追加納付、(4)顧客や仕入先などへの補償の拡大が想定される。しかしこれら追加的な費用に関しては、現時点で見積もるのは著しく困難なため、業績予想を取り下げるのが妥当と判断した。
・リスクファクター ~エンジン再認証、補償費用など
・アナリストの投資判断 ~追加費用など不透明感強く、当面は手がけにくい
株価は、特別調査委員会の調査報告書が公表された8月2日に大きく下落、3月4日のエンジン認証不正発覚後に急落した水準近くで推移している。不正対象台数の拡大による販売への影響、それに関連した追加費用の計上など不透明感が一段と強まったため、当面は手がけにくい。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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