QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2022/11/02)
・前期比では増益となるが、従来予想を下回る見込み
23/3期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上収益4230億円→4150億円(前期比22%増)、コア営業利益530億円→470億円(同9%増)へ引き下げる。従来は、原料高による合成樹脂の採算悪化やスマートフォン市場の減速、CDMO事業での新設備立ち上げ費用などを吸収して大幅な増収、増益になるとみていた。しかし足元では、ディスプレイ市場が想定以上に落ち込んでいるほか、半導体市場も減速。費用増の影響も厳しく、円安効果もあって通期で増益となるものの、従来予想には届かない見通しとなった。続く24/3期後半には半導体市場が回復に転じるとともに、ライフサイエンス部門も伸長し、同社の業績も増収、増益基調が続く見込み。
・上期は主要3部門がいずれも苦戦
23/3期上期の連結コア営業利益は前年同期比27%減の169億円。ディスプレイ材料の苦戦や先行投資負担の増加、原料高による採算悪化で主要3部門がいずれも苦戦し、連結全体で大幅な減益を余儀なくされた。
・リスクファクター ~半導体市場の調整長期化など
・アナリストの投資判断 ~当面は上値の重い展開が続く
同社の株価は22年6月以降大きく値を下げていたが、23/3期上期の業績がディスプレイ市場の低迷やライフサイエンス部門での先行投資負担で事前の市場の想定以上に振るわなかったことで、一段と下落。直近では当研究所の来期予想連結PERで12倍程度と、過去の同社の平均である15倍程度を下回る水準で推移している。このため割高感はなく、CDMO事業をはじめとしたライフサイエンス部門や半導体材料をけん引役とした中長期的な成長見通しにも大きな変化はないが、足元の事業環境は厳しく、当面は他の電子材料メーカーの平均をやや上回る同11倍程度の評価にとどまり、上値の重い展開が続きそうだ。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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