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京セラ(6971) 半導体・デバイスは好調だが、携帯電話が減速

QUICK企業価値研究所アナリスト 豊田博幸(2022/11/11)

・23/3期2Q3カ月の営業利益は19%減
 23/3期2Q3カ月の連結受注高は前年同期比10.2%増。円安や半導体・デバイスの好調が要因だが、営業利益は部品供給遅延、部材価格高騰、携帯電話販売の不振などが響き同19.0%減った。企業価値研究所による23/3期の連結業績予想は、売上高を1兆9850億円→1兆9950億円(前期比8%増)に増額するが、営業利益を1650億円(同11%増)に据え置く。3Q以降の為替前提は1ドル=135円→148円、1ユーロ=140円→145円に見直す。為替レート1円の変動が営業利益に与える影響(年間)はドルが13億円、ユーロが9億円を想定。

・増収増益を維持する見通し
 当研究所による24/3期連結業績予想は、売上高を2兆460億円→2兆600億円(前期比3%増)、営業利益を1730億円→1750億円(同6%増)、続く25/3期連結業績予想は、売上高を2兆1080億円→2兆1330億円(前期比4%増)、営業利益を1800億円→1850億円(同6%増)に増額する。自動車向けの拡大や、5G(第5世代移動通信システム)・半導体関連需要も拡大が続くと想定。

・リスクファクター ~携帯電話端末の事業動向

・アナリストの投資判断 ~当面の株価は市場平均並みを予想
 部材供給遅延や部材価格高騰の影響があるものの、今23/3期の連結業績見通しは増収増益予想であることは変わらない。現行株価はPBR1倍を依然として下回る水準にある。ただ、携帯電話やプリンター複合機など、半導体・デバイスに比べ収益性が低く、競争力の弱い事業の収益性悪化が足元で目立つようになってきた。当面の株価は市場平均並みにとどまるとみているが、今後も利益改善が続くことを踏まえ、中期的な株価は上昇を予想する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

豊田 博幸

調査部長

電機・精密担当


【プロフィール】
1985年、東京証券(現東海東京証券)入社。企業アナリストとして主に自動車、機械など製造業中心に担当したほか、投資情報業務にも従事。営業企画部や経営企画部など経営企画部門も経験。2000年、QBR(現QUICK企業価値研究所)に勤務。2011年より調査部長、現在に至る。「森羅万象、無駄になる情報は無し」を信条に、調査活動に従事する。


日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 電気・精密機器専門部会 評価実施アナリスト


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