【日経QUICKニュース(NQN) 尾崎也弥、山田周吾】11月に入り朝夕の寒さが厳しくなってきた。気象庁によると、今年の冬も日本列島は「ラニーニャ現象」で寒気の影響を受けやすく、気温は低めになる見通し。株式市場ではそんな寒い冬に活躍しそうなウインターストック株に期待が寄せられている。
■スキー場、インバウンド回復に期待
季節が冬に近づくにつれて全国各地のスキー場は活気にあふれる。スキー場運営の日本スキー場開発(6040)は10月20日に約3年3カ月ぶりの高値を更新した。2023年7月期(今期)の連結純利益は前期比9.4倍の3億円を見込んでいる。日本スキーは「今期見通しはインバウンド(訪日外国人)需要をほぼ織り込んでいない。順調にインバウンドが回復すれば業績は上振れするだろう」(財務担当者)と期待を込める。
スキーやスノーボード用品でおなじみのスポーツ専門店大手のアルペン(3028)は、値下げやコスト高の影響で8日に発表した22年7~9月期の連結決算は営業赤字となり、株価もさえない。ただ、冬季の業績については「新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるが、今期はスキー用品在庫を確保できており、12月~23年1月の月次売り上げは好調な数字を見込む」(同社のIR担当者)という。
■3年ぶりの忘年会、クリスマスに高揚感
今年の冬、3年ぶりの忘年会開催を心待ちにするサラリーマンも少なくない。岩井コスモ証券の清水範一シニアアナリストは各自治体が発行しているプレミアム付き食事券に着目。「居酒屋を含め外食関連銘柄には追い風が吹く。足元、調整気味の鳥貴族ホールディングス(3193)が年末にかけ、盛り返すシナリオが想定される」とみていた。
高級レストランを運営するひらまつ(2764)は11月や12月の月次業績の好調さが目立つ。特にクリスマスシーズンは恋人や友人向けに特別コースを提供しており、今シーズンはリオープン(経済再開)も追い風に客単価の向上が見込めそうだ。冬の味覚といえばふぐ料理として、専門店「玄品」を展開する関門海(3372)もウインターストック銘柄の一角として名前が挙がることがあるようだ。
■おしゃれは「ワンマイル」から「デートに使える」へ
遠出したり、人と会ったりするのが増えるに伴って、おしゃれする機会も増えそうだ。さらに「冬物は夏物より単価が高く、寒い冬はアパレル業界にとってプラスになる」(山和証券の志田憲太郎・調査室課長)と期待されている。ファーストリテイリング(9983)のユニクロは定番だが、志田氏は「今年の冬はワークマン(7564)よりもワールド(3612)といった具合に、近所に出かけるワンマイルのふだん着からデートに使えるおしゃれ着へシフトしそうだ」と話していた。靴では好調なABCマート(2670)と比べて業績や株価が出遅れているチヨダ(8185)に注目していた。
寒い冬にはエアコンやストーブなど暖房が欠かせない。ニューヨーク原油先物はこのところ1バレル80ドル台後半~90ドル前後で底堅く推移している。天然ガス価格はロシア・ウクライナ情勢もあって急騰しており、石油製品へと燃料転換が発生しやすくなると考えられる。中国のゼロコロナ政策や欧米景気の悪化で原油需要が大きく伸びるとは言えないが、原油相場の下値の堅さはINPEX(1605)などにとって一定の支援材料になりそうだ。
ほかにも冬用タイヤの需要でオートバックスセブン(9832)など冬の需要は多岐にわたる。リオープンで迎える今年の冬はウインターストック株が投資家の懐を暖める機会も増えるかもしれない。