【NQNニューヨーク=横内理恵】28日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎ネット通販支援のショッピファイ(SHOP) △3.4%
同社のサービスを利用する小売業者の25日のブラックフライデーでのネット通販売上高が前年に比べて17%増となったと26日に発表した。年末商戦が好調なスタートを切ったと受け止められた。
◎中国ネット通販のピンドゥオドゥオ(PDD) △12.6%
28日に発表した2022年7~9月期決算で売上高が前年同期比65%増と市場予想以上だった。新型コロナウイルス感染を封じ込めるための中国政府の「ゼロコロナ」政策が巣ごもり消費の拡大につながった。特別項目を除く1株利益も市場予想を大幅に上回った。
◎バイオ製薬のアクサム・セラピューティクス(AXSM) △31.5%
28日に開発中のうつ病治療薬「AXS―05」ついて、最終段階の臨床試験(治験)でアルツハイマー型認知症に伴う行動障害(アジテーション)を抑える効果が確認されたと発表した。同様の治療薬がまだ製品化されていないため、需要を見込んだ買いが膨らんだ。
◎オンライン広告のタブーラ(TBLA) △43.5%
28日に検索サイトのヤフーと今後30年にわたって提携すると発表した。タブーラは投稿や記事などのコンテンツと同じ体裁をした「ネイティブ広告」を手掛け、ヤフーから同事業を請け負う。ヤフーはタブーラの発行済み株式の24.99%も取得した。
◎スマートフォンのアップル(AAPL) ▲2.6%
ブルームバーグ通信が28日、アップルのスマホ生産を請け負う台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の中国工場での稼働停滞が長引けば、iPhone(アイフォーン)の上位機種「14Pro」の生産台数が600万台減る可能性があると報じた。ウェドブッシュ証券も28日付のリポートで、2022年10~12月期の生産台数が例年より1割減る可能性があると試算した。
◎バイオ製薬のバイオジェン(BIIB) ▲4.3%
米サイエンス誌のニュースセクションが27日、バイオジェンが日本のエーザイと共同開発するアルツハイマー型認知症治療薬「レカネマブ」の治験参加者が脳出血で死亡したと報じた。レカネマブとの因果関係は明らかになっていないものの、死亡例としては2件目となる。安全性の問題が当局の承認と製品化に影響する可能性が意識された。
◎オンラインスポーツ賭博のドラフトキングス(DKNG) ▲4.2%
JPモルガンが28日に投資判断を「中立」から「売り」に引き下げた。業績が雇用情勢に連動しやすく、同業よりも収益化にリスクがあるとも指摘した。目標株価は25日終値を2割下回る12ドルで据え置いたが、同水準を20%下回る可能性があるとの見方を示した。
◎高級家庭用品のウィリアムズ・ソノマ(WSM) ▲4.8%
モルガン・スタンレーが28日に投資判断を「中立」から「売り」に、目標株価を150ドルから100ドルに引き下げた。マクロ環境の悪化により、23年は家具や家庭用品全体の販売が前年比で6~7%減り、ウィリアムズ・ソノマの売り上げも落ち込むと予想した。