【NQNニューヨーク=古江敦子】29日の米株式市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇。▲は下落。
◎高級衣料のラルフローレン(RL) △4.4%
JPモルガンが29日に目標株価を127ドルから132ドルに上方修正し、前日終値に比べ22%高い水準を見込んだ。パリで開かれた高級ブランドの会合で、ラルフの幹部は過去5年間で新規顧客が2000万人増えたと明らかにした。今後3年の売上高の年平均成長率(CAGR)は1桁台後半との目標を維持し、利益率上昇に向けた方針も発表。JPモルガンは2023年3月期通期の1株利益見通しを引き上げ、投資判断は「買い」で維持した。
◎自動車向け音声認識技術のセレンス(CRNC) △15.8%
29日発表の2022年7~9月期決算で1株損失が市場予想より小さく、売上高が市場予想を上回った。決算説明会で開示した10~12月期の業績見通しも市場予想を超えた。同社は人工知能(AI)による音声で、運転手の駐車場探しなどに対応する技術を提供。トヨタ自動車や仏ルノー、ゼネラル・モーターズ(GM)など世界の自動車大手を顧客に持つ。
◎中国の動画配信のビリビリ(BILI) △22.3%
29日発表の22年7~9月期決算で最終赤字が前年同期から大幅に縮小した。販促費の削減が奏功した。売上高は11%増で市場予想を上回り、10~12月期も増収を維持する見通しを示した。29日は中国の「ゼロコロナ」政策の緩和への期待も同社株価の支えになった。
◎遺伝子解析サービスを手がける23アンド・ミー・ホルディング(ME) △1.8%
一時は5%上昇した。ベレンバーグが投資判断「買い」で調査を開始し、目標株価は7ドルと前日終値の2.5倍を見込んだ。膨大な遺伝子情報を持つことで治療学事業の成長が見込まれ、収益化を期待した。オンラインでの診療・処方薬サービスへの参入も成長につながると評価した。
◎物流のUPS(UPS) △2.8%
ドイツ銀行が投資判断を「中立」から「買い」に、目標株価を197ドルから220ドルに引き上げた。景気悪化に伴う業績懸念などは既に株価に織り込まれたと指摘。コスト削減を進めて不況下でも安定した収益力を維持する見通しで、株価の上げ余地を見込んだ。
◎スマートフォンのアップル(AAPL) ▲2.1%
TFインターナショナル・セキュリティーズが29日、新製品「iPhone14」のProとProMaxの22年10~12月期の出荷台数見通しを従来から20%引き下げ7000万~7500万台とした。市場予想(8000万~8500万台)を下回り、嫌気した売りが出た。生産を請け負う台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の中国工場で従業員の抗議活動が続く影響を見込んだ。
◎決済サービスのペイパル・ホールディングス(PYPL) ▲2.9%
ドイツ銀行が、セールスフォースがまとめた世界15億人を対象とした年末商戦期の電子決算サービス利用データを調べたところ、11月1~28日にアップルの決済サービス「アップルペイ」の利用が前年同期間に比べ急増していたのに対し、ペイパルは減っていたことがわかった。「ペイパルは向こう数年、アップルとの競争がさらに激しくなる」とみる。
◎化学のケマーズ(CC) ▲1.3%
28日夕に22年12月期通期のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)やフリーキャッシュフロー(FCF、純現金収支)が従来予想を「小幅に下回る」との見通しを示し、嫌気する売りが出た。足元で二酸化チタンの需要が低迷するほか、原材料費の上昇などが響くと説明した。
ラルフが5年で客を2000万人も増やしたというのが驚き。日本でラルフ来てる人そんなに増えた気しないですが…