QUICK企業価値研究所アナリスト 堀内敏成(2022/11/30)
・23/3期1Qに続き、2Q3カ月も好調を維持
23/3期上期の連結純利益は前年同期比2.0倍の789億円となり、上期としての過去最高益を更新した。1Qが同2.7倍の452億円であったのに続き、2Qも同49.7%増の337億円と好調を維持した。資源分野での石炭市況の高騰が大きく寄与したほか、非資源分野も幅広く利益が増加。インフレ環境下での総合商社の収益面での強みが発揮された形であり、同社がこれまで積み重ねてきた新規投融資が好調な業績に結び付いた。
・当研究所純利益予想を上方修正
好調な上期業績などを踏まえ、企業価値研究所では同社の純利益予想を上方修正する(下表「業績データ」参照)。24/3期は、世界景気の減速、資源市況の軟化の影響などを見込み、減益予想とする。しかし、同社のこれまでの新規投資の効果に伴う非資源分野の収益力向上などにより、非資源分野が底堅く推移し、高水準の純利益を維持すると見込む。続く25/3期は、世界景気が持ち直しに向かうと想定。同社の純利益も増益を回復すると予想する。
・リスクファクター ~世界景気の後退、など
・アナリストの投資判断 ~堅調な業績、積極的な株主還元姿勢が株価を支えよう
株価は連結業績の好調を背景に上昇基調が続いている。21年10月に高値2032円をつけた後、21年末にかけ調整したが、12月につけた安値1591円を底に上昇基調を回復。22年11月に年初来高値2486円をつけた。同社の連結業績は、23/3期に純利益で同社発足以来の1000億円台に乗せる見通し。当研究所では24/3期は減益を見込むものの、新旧の中計での投資案件の収益化なども寄与し、高水準の純利益が継続すると予想。積極的な株主還元姿勢への評価もあり、株価は上昇基調を維持するとみている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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