【NQNニューヨーク=戸部実華】30日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎動画配信のネットフリックス(NFLX) △8.7%
11月に配信を始めたドラマ「ウェンズデー」が「ネットフリックスの歴史上、週間で最も視聴時間が多い英語版テレビシリーズになった」と29日に発表した。人気ドラマ「ザ・クラウン」の伸び悩みやサッカーワールドカップが10~12月期の契約者数の伸びを抑えると懸念されていたが、キーバンク・キャピタル・マーケッツは「この見方が変わる」と評価した。
◎ソフトウエアのマイクロソフト(MSFT) △6.2%
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が30日午後の講演で「利上げペースの減速時期は12月の会合になるかもしれない」と述べた。これを受け、米長期金利が低下し、高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが広がった。交流サイトのメタプラットフォームズ(@META/U)や電気自動車のテスラ(@TSLA/U)なども大幅高となった。
◎バイオ製薬のバイオジェン(BIIB) △4.7%
アルツハイマー型認知症治療薬「レカネマブ」を共同開発する日本のエーザイが30日、同薬の治験による2件の死亡事例に関し、安全性評価の結果、「レカネマブに起因する死亡ではない」との見解を示した。製品化を巡る懸念が和らぎ、見直し買いが入った。
◎中国の電気自動車メーカー、小鵬汽車(シャオペン)(XPEV) △47.3%
30日に発表した2022年7~9月期決算で売上高や出荷台数などが市場予想に届かず、10~12月期は大幅な減収となる見通しを示した。ただ、経営陣は成長戦略などを見直し、すでに組織再編や戦略を変更したと説明。中国の厳しい新型コロナウイルス規制の緩和期待もあり、悪材料出尽くし感からの買いが入った。
◎家具ネット通販のウェイフェア(W) △15.7%
24日の感謝祭から、28日の大規模なネットセール「サイバーマンデー」までの5日間の売上高が前年同時期と比べて1桁台前半の伸び率になったと29日夕に発表した。消費者が裁量支出を絞る環境でも、商品の豊富な品ぞろえや配送の速さなどが奏功した。5日間の受注のうちリピーターが7割強を占めたが、新規顧客も数十万件に達したという。
◎料理宅配サービスのドアダッシュ(DASH) △9.2%
ブルームバーグ通信が30日、「全従業員の約6%にあたる1250人程度を削減する」と伝えた。業績懸念などから株価は前日までに年初来下落率が6割強となり、コスト削減で採算が改善するとの見方から買い直す動きが広がった。