【日経QUICKニュース(NQN) 鈴木孝太朗】日銀が20日、金融緩和の修正を発表し事実上の「利上げ」に踏み切った。株式や債券と並んで金融緩和の恩恵を受けてきたのが不動産だ。国土交通省が算出する全国の不動産価格指数(住宅マンション、区分所有、2010年=100)は22年8月には183まで上げ、約10年でほぼ倍になった。異次元緩和が始まった13年以降の上昇が目立ち、金融緩和バブルの副産物として語られることが多い。
最近のマンション価格上昇は施工費の高騰なども要因として挙げられるが、市場では「低金利が支えになっていただけに、(日銀の政策修正をきっかけに)相場の変調をきたす恐れがある」(SMBC日興証券の宮前耕也氏)との声も聞かれる。平成バブル崩壊やリーマン・ショックなど過去に不動産価格の下落は金融市場の波乱要因となってきた。マンションは投資目的も多く金利が上がれば売却が相次ぐことも予想される。価格急変動への警戒が必要な局面かもしれない。