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富士フイルムホールディングス(4901) 半導体材料の減速などを織り込むが、今期営業13%増益予想を据え置く

QUICK企業価値研究所アナリスト 谷林正行(2023/03/07)

・来期以降も営業最高益更新が続く見方は変わらず
 企業価値研究所は23/3期の連結予想営業利益2600億円(前期比13%増)を据え置いた。減額したセグメントがあるが、インスタントフォトシステム「チェキ」を含むイメージングなどを引き上げた。来期以降は小幅減額したが、増益が続く見方に変わりはない。過去最高益更新が続く見通し。

・イメージングの進捗は想定以上に順調
 イメージングには、「チェキ」などのコンシューマーイメージングとデジタルカメラなどのプロフェッショナルイメージングがあるが、コンシューマーイメージングの伸びが想定以上。デジタルカメラの利益がピークアウトする可能性があるが、これをカバーできる可能性が高まったため、来期以降をみるうえでポジティブに捉えている。

・23/3期3Q累計は営業9%増益
 23/3期3Q累計の連結営業利益は2026億円(前年同期比9%増)となった。為替レートを除いた実質ベースでは、増収だったがコスト上昇などのマイナス要因で営業減益となった。

・リスクファクター ~為替、競合企業との競争激化、事務機械関連の事業展開など

・アナリストの投資判断 ~マイナス材料は織り込まれた模様。株式相場全体に準じたパフォーマンスへ
 当研究所では今後の株価について、概ね株式相場全体に準じた値動きを想定している。3Q決算発表後の値下がりは、為替を除いた実質ベースでの営業減益、半導体向け電子材料の減速などが嫌気されたものと考えられるが、これらのマイナス材料は概ね織り込まれた模様。「チェキ」の好調や来期に向けてコストインフレの影響が薄れていくことなども考慮すれば、底堅い推移が考えられる。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

谷林 正行

シニアアナリスト

民生エレクトロニクス、精密機器、総合重機セクター担当


【プロフィール】
東京大学工学部反応化学科卒、山一証券経済研究所入社、ベンチャーキャピタル、格付機関、IRコンサルティング会社を経て現在に至る。
新技術、テーマを中心としたレポート作成やベンチャー企業の将来性の判断、財務面を中心とした企業分析など、過去に携わった業務経験を活かし、様々な視点から対象企業を分析することを心掛けている。


日本証券アナリスト協会検定会員

日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 電気・精密機器、機械専門部会 評価実施アナリスト


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