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【IPO】カバーが上場 谷郷社長がエニーカラーとの差やメタバースを語る

記事公開日 2023/3/27 12:30 最終更新日 2023/3/28 08:20 国内株式市場サマリー 株式新規公開 日本株 IPO 注目銘柄 IPOワールド NQNセレクト

 【日経QUICKニュース(NQN) 大沢 一将】Vチューバー(バーチャルユーチューバー)のマネジメント会社のカバー(5253)が27日、東証グロース市場に上場する。ANYCOLOR(5032)に続くVチューバー銘柄として3~4月のIPOラッシュの中でも注目度が高い。同業他社との違いや中長期的な成長分野として期待されるメタバース事業について、カバーの谷郷元昭社長が語った。



カバーの谷郷社長。Vチューバー「ときのそら」さんのパネルの左横で(東京都千代田区の同社オフィス)


■Vチューバー、ネットを飛び出す

――2017年後半から盛り上がり始めたVチューバー市場は今、どんな状況か。

「タレントが音楽レーベルでデビューする、店頭にグッズが並ぶなど、(ネットでの配信にとどまらない)新たなフェーズへの突入でファン層がさらに拡大している。当社のVチューバーグループ、ホロライブの『さくらみこ』は東京都から『東京観光大使』に選ばれた。海外での知名度もあり、インバウンド(訪日外国人)向けのアピールもできると思っていただけたのかもしれない」

――売上高のうち、「配信・コンテンツ」は22年3月期(前期)以降、四半期ベースであまり増えていない。同業他社も同じ傾向にみえる。どう考えたらよいか。

「当社の場合、『配信・コンテンツ』の内訳はユーチューブでの『投げ銭』やチャンネルのメンバー会費などだが、クレジットカードなどがないと課金できない。足元では中高生までファンの年齢層が下がってきているが、彼らは基本的にクレカを持てない。視聴者は増えていても、配信の売り上げには表れにくい」

「VチューバービジネスはIPビジネスに近いという点も指摘したい。例えば、『機動戦士ガンダム』はTVアニメを放映して顧客の熱量を高めた上で、グッズ販売やゲームなどのメディアミックスへと展開しているわけだ。そこにビジネスの主体がある」

■エニーカラーとの差、カギ握るグッズ展開

――カバーの前期の営業利益率は約14%だったが、エニーカラーの前期(22年4月期)の約30%と差がある。売上高の伸び率も見劣りする。

「当社のグッズ展開が本格的にはできていない部分が大きい。現在は各タレントの記念日グッズなどの受注販売がメイン。ECサイトを見ると分かるが、グッズが十分に並べられていない。すでに一定の人気を持ったタレントがいるため、しっかりやれば売り上げはついてくる。店舗にグッズが並べば、中高生に手に取っていただける」

「当社の方が社員数が多いことも、利益率の差に影響していると思う。メタバース事業で50人ほどの人員がいる」

編注:正社員および契約社員の合計はカバーが401人、エニーカラーが288人(いずれも23年1月末時点)。

■メタバースで差別化 「ユーザーありき」で進める

カバーは仮想空間「ホロアース」を開発している。アニメ調の3D空間でVチューバーのライブがみられたり、ファン同士の交流やゲームができたりする。24年中にリリース予定で、アバターやその衣装などのデジタルアセットの販売収入を見込んでいる。

――「ホロアース」で目指すところを知りたい。

「現在も『マインクラフト』(仮想空間でブロックを用いて様々なものを作成できるゲーム、マイクラ)の実況配信で、ファンらが協力して作った空間にタレントが訪れるという遊び方がある。『ホロライブ運動会』という企画で、タレントがマイクラの中で運動会の準備をして、当日競技をやるというのも好評だ」

「ただ、マイクラだとタレントの姿もブロック状になってしまう。本来の自分の姿のまま、3Dキャラクターのままでプレイできる空間があると、ライブを開催できたりとより楽しくなるはずだ」

――事業としてメタバースを成功させている会社は少ない印象がある。カバーの優位性は何か。

「『ホロライブ』のファンコミュニティーは大きく、そこにユーザーが楽しめる交流の場を提供したい。日本企業のメタバースにありがちな企業主導のものとは全く違う。ユーザーのニーズを確認しながらコンテンツを増やしていきたい。『ホロアース』が同業他社との一番の差別化要素だと考えている」

【市場関係者の見方】

Vチューバービジネスは「10~20歳代の消費者にアプローチできる点で、他にはない独自性がある」(東洋証券の安田秀樹氏)と評価する声がある。「広報手段として企業の注目も増しており、今後の成長余地は高い」(安田氏)。

エニーカラーと比較すると、売上高成長率、営業利益率ともにカバーが下回っている。今期の会社予想ベースだと、エニーカラーは売上高が前期比77%増の250億円、営業利益率は37%を見込むのに対し、カバーは売上高が32%増の180億円、営業利益率は12%の予想だ。ただし、「今後のグッズ展開次第で改善できる余地があるとも言える」(国内証券)と前向きな見方もある。

長く低迷していた同業のエニーカラー株が復調なほか、直近に新規株式公開(IPO)を実施した銘柄の値動きは強く、「地合いは悪くない」(証券ジャパンの大谷正之氏)。カバー株は公開価格比で上昇するとの見方が多いようだ。一方、リスクとしては一般的な芸能事務所と同様、所属タレントの素行が問題とされる可能性も指摘されていた。

【カバーの上場に関するデータ】

  • 公開価格     750円
  • 公募      150万株
  • 売り出し  1092万7400株
    オーバーアロットメントによる売り出し 186万4100株)
  • 発行済み株式数に対する公募・売り出しの比率 約23%
  • 公開価格に基づく時価総額  約458億円
  • 資金吸収額(公開規模)  約107億円
  • ロックアップ対象 谷郷社長、ベンチャーキャピタルなど
  • ロックアップ期間 上場後180日目(23年9月22日)まで

著者名

日経QUICKニュース(NQN) 大沢 一将


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