米国株に投資する「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね」が、積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象ファンドに仲間入りした。金融庁が7月31日に公表した「つみたてNISA対象商品届出一覧」で判明した。
つみたてNISAの対象ファンドは低コストのインデックス型(指数連動型)が中心で、アクティブ型(積極運用型)は相対的に少ない。純資産総額(残高)の規模や運用年数、資金流入期間などインデックス型より厳しい条件を満たす必要がある。7月31日時点で246本ある対象ファンドのうち、アクティブ運用する先進国株式型(QUICK独自の分類)は、ETF(上場投資信託)を除くと7本しかない。
「長期厳選投資 おおぶね」は2017年7月5日に設定され、運用年数が7年目に入った。23年7月末時点の残高は364億円。設定以降はほぼ毎月、資金流入超が続いている。20~30銘柄程度の米国株に集中投資し、長期投資を前提とするファンドだ。
「おおぶね」シリーズには、同じ運用哲学で投資対象の地域が異なる3本がある。米国株ファンドのほかには、日本株に投資する「農林中金〈パートナーズ〉おおぶねJAPAN(日本選抜)」(TB431119C/TSK)と、日米欧の株式に投資する「農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)」を運用している。
8月1日に投資信託協会が公表したリストによると、3本とも2024年1月から始まる新しいNISAの成長投資枠の対象ファンドとなった。これにより、「長期厳選投資 おおぶね」は新しいNISAの成長投資枠とつみたて枠の両方で使える見通し。
「おおぶね」シリーズを運用・助言する農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)は、運用担当者らが受益者向けに毎月、オンラインの運用報告会「メンバーズカンファレンス」を開催している。運用報告会では運用実績、投資先企業の紹介などに加えて、受益者からの質問にその場で運用担当者が回答していく。長期に保有してもらいたいとの思いから、受益者への情報発信や対話などの活動に積極的に取り組んでいる。
「投資家と同じ船に乗る」というのが同シリーズのコンセプトでもある。来年からのNISA制度の充実がさらなる追い風となり、長期で資産形成に取り組む個人投資家の支持を拡大していきそうだ。
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