QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2023/08/03)
・国内販売の正常化は25/3期との見方を継続
24/3期通期の連結業績見通しについて企業価値研究所では、原材料価格高騰の影響等による1Qの収益性が予想以上に低下したことを受け、営業利益予想を290億円→200億円(前期比15%増)と、会社計画まで減額する。25/3期以降も同様に、従来の営業利益予想を引き下げた。なお、後述の三菱ふそうトラック・バス(以下三菱ふそう)との経営統合効果は織り込んでいない。22年3月発覚のエンジン認証問題のうち、劣化耐久試験の不正があったエンジン搭載車両の出荷停止が継続している。型式指定の再取得には時間を要する見込みであり、国内販売の正常化は25/3期との見方を変えない。
・三菱ふそうとの経営統合の評価を下すのは時期尚早
日野自、三菱ふそう、トヨタ、ダイムラートラックの4社は、日野自と三菱ふそうとの経営統合に係る基本合意書を締結した。日野自と三菱ふそうが統合会社の完全子会社となる方法で実施予定。統合会社の株式は、東証プライム市場などに上場されることを想定しており、24年3月の最終契約締結、24年12月末までの経営統合の実施を目指している。当研究所では、統合比率などが決まっておらず、評価を下すのは時期尚早と考えている。
・リスクファクター ~エンジンの型式指定の再取得
・アナリストの投資判断 ~来期予想PERで割高感。当面は上値の重い展開を予想
三菱ふそうとの経営統合に係る基本合意書を締結したが、最終契約の締結に至っていないため業績予想に織り込んでいない。その業績予想と直近の株価に基づく、国内販売の正常化を見込んだ25/3期の予想PERは13倍と、セクター平均の約8倍との比較で割高感がある。当面の株価は上値の重い展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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