政府は「貯蓄から投資」の流れを進めるうえで、金融経済教育にも力を入れる方針だ。2022年4月に高校の授業内容を拡充したのに続き、24年4月には金融経済教育推進機構を設立し、国民の金融リテラシー向上を目指す。
QUICK資産運用研究所の「個人の資産形成に関する意識調査」で金融経済教育の受講経験を聞いたところ、回答者5075人のうち「受けたことがない」が84.6%を占めた。「受けたことがある」は6.8%にとどまり、「わからない」が8.6%だった。
「受けたことがある」と答えた人の割合を年代別にみると、「18~29歳」が8.0%、「30代」が8.2%と他の年代よりも高かった。投資経験の有無で分けてみると、「投資経験なし」では受講割合が2.1%と低く、投資経験がある人の13.3%とは開きがあった。職業別では、「会社員・金融業(正社員)」(14.1%)、「公務員」(12.8%)の受講割合が比較的高かった。
「金融経済教育を受けたいと思いますか」の質問では、「受けたい」「どちらかと言えば受けたい」の合計が28.0%にのぼった。「あまり受けたくない」「受けたくない」の合計は37.9%、「どちらとも言えない」が34.0%だった。
受講意欲がある人の割合(「受けたい」「どちらかと言えば受けたい」の合計)を年代別にみると、「18~29歳」「30代」「40代」がいずれも34%台と高めだった。男女別では、男性が25.9%、女性が30.2%だった。年代ごとに男女別でみても、すべての年代で男性より女性のほうの割合が高かった。
過去に受講経験がある人とない人に分けてみると、受講経験者が70.2%と高かったのに対し、未経験者では25.0%にとどまった。金融経済教育を一度でも受けたことがある人は、さらに学びを深めようという気持ちになりやすいことが確認できた。
金融経済教育を「受けたい」「どちらかと言えば受けたい」と答えた人にその理由を聞いたところ、1位は「資産を増やしたいから」(60.7%)だった。2位は「将来お金に困らないようにしたいから」(51.4%)、3位は「お金に関する不安を解消したいから」(50.9%)が続いた。
金融経済教育を「あまり受けたくない」「受けたくない」と回答した人にも理由を聞いたところ、「面倒くさそうだから」が37.5%で最も多かった。2位は「難しそうだから」(31.2%)、3位は「受けなくても今まで何とかなってきたから」(22.0%)だった。
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QUICK資産運用研究所が2023年11月下旬~12月上旬に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」の集計結果は、「QUICK Money World」で順次配信していく。調査概要などは以下のとおり。 <調査概要> |
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