13日の米国株式市場でアップルが4日続落し、0.99%安の192.23ドルで終えた。一時は7月31日以来、3カ月半ぶりの安値圏に沈んだ。iPhoneなどに部品を供給するサプライヤーが慎重な業績見通しを示唆し、アナリストも販売台数予想の引き下げに動いている。
株価下落は、顔認証センサーを供給するルメンタム・ホールディングスが12日に業績予想を引き下げたのが端緒となった。これを踏まえて、ゴールドマン・サックスは同日付のリポートで、投資判断のニュートラルを維持しつつ、アップルの目標株価を222ドルから209ドルに引き下げた。
ゴールドマンは、10~12月期(1Q)、2019年1~3月期(2Q)に顔認証センサーを搭載したiPhone販売台数が1500万台減少する見込みといい、iPhoneXS、XS MAX、XRの販売台数予想を引き下げた。これは従来の同社予想より、販売台数で6%、売上高で3.5%の下方修正(いずれも2019年通期)となる。
これに追随する形で13日は、アップルに通信系半導体を提供しているクォルボも10~12月期の見通しを下方修正した。日中取引の終値は0.2%安の63.65ドルで、一時4%安まで下げた。10~12月期(3Q)の売上高が従来予想の8億8000万~9億ドルから8億~8億4000万ドルになりそうだといい、8億5440万ドルを見込んでいる市場予想(QUICK FactSet)も下回る。
■アップル・サプライヤー株の騰落率(13日)
ルメンタムもクォルボも「スマートフォン需要の変化」としか説明していないが、アップルのiPhoneの減速が背景にあるのは明白だ。
もっとも、ほかのサプライヤー株への影響は限定的で、13日は大半が上昇して取引を終えた。iPhoneの販売低迷という問題はアップルだけに重くのしかかる問題なのか、それとも幅広い影響が避けられないのか。市場は見極めに入っているようだ。(岩切清司、片平正ニ、松下隆介)
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