米連邦準備理事会(FRB)のジャネット・イエレン前議長が6日に米経済専門チャンネルのCNBCの「パワーランチ」に出演し、「世界経済の成長が鈍化し、米国経済に影響を及ぼし始めれば、次の行動は利下げになるかも知れない」との見解を示した。中国や欧州の景気減速が米国の景気に悪影響を与える恐れがあるとしつつ、「だが、(利下げか利上げか)両方の動きが可能だ」との見解も示した。
FRBは昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、四半期経済見通し(SEP)のドットプロットで2019年の利上げ回数を2回と見込んでいたが、今年1月のFOMCで利上げを一時停止する方針を示した。イエレン氏は「私も昨年12月に予測を求められていれば、年2回の数字を出していただろう」と述べ、パウエル議長率いる現在のFOMCの判断を尊重した。一方、バランスシート(B/S)の縮小を見直す手法について、債券の毎月の償還額に上限を設けつつ、残りを再投資する手法を提案した。イエレン氏は「ペンキが乾くのを見ているのと同じです(watching paint dry=退屈な行動です)」と述べた。(片平正ニ)
■FOMCメンバーの政策金利見通し(ドットチャート、12月時点)
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