QUICK企業価値研究所
株価上昇による売却後の個人株主の戻りが課題
「株価がなかなか上昇しない中で、本業をもっと頑張らなければと考えています」。総務部長 兼 広報IR部長の団俊貴氏は語る。
C&FロジHDは、2015年共同株式移転によって設立された低温食品の通過型センター事業(TC事業)と、保管在庫型物流事業(DC事業)を両輪とする低温食品の物流サービスを展開する会社だ。前身である名糖運輸とヒューテックノオリンは、それぞれ株主優待制度を導入していた。そのため、C&FロジHDは設立1年目に株主優待制度を導入し、安定株主の確保・維持を狙った。しかし、株主数は11,992人(2016年3月末)から8,818人(2019年3月末)と減少した。株価は、上場初値の671円(2015年10月1日)が1761円(2019年1月19日)と2.6倍に上昇。個人株主の一部が利益確定の売りで株式を手放してしまったあと、株価は調整局面を迎えており、個人株主の戻りは鈍いようだ。
第一次中期経営計画(2016年4月~2019年3月)は、『統合効果の具現化に向けた全部門における機能再編の推進』を基本方針として、4部門(営業部門、経営企画・管理部門、監査・内部統制部門、施設部門)が『グローバルに変化する食品物流を担う低温を核とする総合物流情報企業の実現』に取り組んだ。その結果、業績目標を達成。2019年3月期に増配を実施した。
2019年5月に「第二次中期経営計画」を発表した。『新たなインフラ整備と営業開発の推進』を基本方針として、顧客サービスや物流品質の更なる向上に取り組んでいる。
あとをひくおいしさが人気の豆菓子
株主優待は、100株以上500株未満の株主に豆菓子(あとひき豆ピーナッツ)を提供している。豆菓子は、前身の名糖運輸で高い人気のある優待品だったことからC&FロジHDでも継続された。豆菓子を製造する名糖産業は、かつて名糖運輸の大株主だったことから優待品に選ばれたという。500株以上は新潟県魚沼産コシヒカリ(新米)だ。「メーカーなどと違い、当社は株主優待に自社商品のアピールをすることができません。しかし、優待品について株主のみなさまにご評価をいただいていると思っています」(団氏)。
一方で、株主からは株主優待制度に対するリクエストが出ている。500株以上の株主には、豆菓子(あとひき豆ピーナッツ)も欲しいというひとがいる。また、長期保有優遇制度の設定を求める声もある。具体的な検討はこれからだが「将来的な課題ととらえている」(団氏)と改善に前向きだ。 C&FロジHDは、株主に対して株主優待と株価の両面で、あとをひくおいしさを届けようとしている。
毎年3月31日(基準日)現在の株主名簿に記載または記録された1単元(100株)以上の当社株式を保有している株主。
≪優待内容≫
100株以上 500株未満 豆菓子(あとひき豆ピーナッツ)
500株以上1,000株未満 新潟県魚沼産コシヒカリ(新米)3kg
1,000株以上 新潟県魚沼産コシヒカリ(新米)5kg
≪贈呈時期≫
新米の収穫時期に合わせて全ての対象株主に対して毎年10月中旬の発送を予定。
低温食品の通過型センター事業(TC事業)と、保管在庫型物流事業(DC事業)を両輪とする低温食品の物流サービスを展開。マルハニチロが筆頭株主。三菱食品への売上高が全体の1割を超える。
TC事業は、365日24時間体制で、チルド食品を中心とした低温食品のセンター業務および輸配送を行う事業。低温食品の共同配送事業と、配送センター運営ならびに店舗配送事業を行う。DC事業は主に低温食品の保管・荷役および輸配送を一体的に行う事業。全国の各要衝に展開する流通型冷凍・冷蔵倉庫において、低温食品の共同保管・荷役および輸入冷凍食品の保税業務を行い、併せて共同配送の機能を活かし、納入先へ24時間以内で届けるコールドチェーン物流を構築している。これらのほかに、警備輸送業、病院等関連物流業、人材派遣業、保険代理店業等を手掛ける。
2015年、名糖運輸およびヒューテックノオリンが共同株式移転の方法により設立。
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