米議会上下両院で就任後初の議会証言に臨んだパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、景気や物価の先行きに強気の見通しを示し、市場は利上げペース加速の可能性を嗅ぎ取った。3月の「QUICK月次調査<外為>」※では、2018年の米利上げ回数について、外国為替市場の担当者に聞いた。調査期間は3月5~8日。回答者数は76人。
※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。
年内利上げ回数 「4回」が大幅に増加
今回の調査期間外だが、前週末9日に発表された2月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が市場予想を上回り、米景気の改善持続を印象付けた。市場ではこれまで米利上げ回数は3回との予想が多かったが、パウエル議長の議会証言に加え、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が講演で「年4回の利上げでもペースは緩やかだ」と語るなど、上振れの可能性が出始めている。
市場関係者に米国の2018年の利上げ回数を聞いたところ、最も多かったのは1月調査に続いて「3回」で5割強を占めた。しかしむしろ目を引くのは「4回」を予想する回答が33%と1月の14%から大幅に増加し、逆に「2回」が1月の35%から大きく減少して12%まで落ち込んだことだ。市場の利上げ観測は確実に強まっている。
市場では「米景気が堅調を持続するなかでインフレ圧力が高まり、FRBが利上げペースを加速させる可能性が出ている」との指摘がある。
※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。