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アップル、iPhone鈍化・対中関税リスクを払拭できるか【米決算プレビュー:7~9月期】

アップルが11月1日の大引け後、2018年7~9月期(4Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、1株当たり利益(EPS)の市場予想の平均値(37社、29日時点)は前年同期比34.2%増の2.78ドルとなっている。売上高の6割を稼ぐ多機能携帯電話(スマートフォン)のiPhoneの販売が鈍化する一方、中国市場の成長鈍化やトランプ政権による対中関税リスクが警戒されている。中国リスクを払拭できるかどうかを占う上で、2018年10~12月期(1Q)の売上高見通しに関心が高まりそうだ。

【7~9月期決算の市場予想】   (前年同期比)
・売上高            614億ドル  (+16.8%)
・EPS(1株利益)     2.78ドル   (+34.2%)
・iPhone販売台数 4749万台  ( +1.7%)

【10~12月期決算の市場予想】   (前年同期比)
・売上高            927億ドル  ( +5.0%)

アップルは例年、7~9月期にiPhoneの新機種を発売し、10~12月期に過去最高益を更新するのが通例となっている。今回の7~9月期には有機エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレー(OLED)のiPhoneXS、XS Maxに加え、液晶パネル(LCD)モデルのiPhoneXR計3機種を発表した。昨年の10周年記念モデルのiPhoneXに比べて関心は低いとみられ、今回それほどiPhoneに対する期待値は高くない。

iPhoneXSラインアップ

(注)出所:アップル

QUICK FactSet Workstationで7~9月期のiPhone販売台数のトレンドをみたところ、今年1月以降は5000万の大台を割り込み、かろうじて前年同期(4667万台)を上回る程度となっていた。LCDモデルの販売が遅れたこともあるとみられるが、中国での販売鈍化が警戒されている。ゴールドマン・サックスは24日付のリポートで、「中国の消費の弱さが10~12月期のアップルの業績にリスクをもたらすとみている」と指摘。iPhone販売台数を7~9月期で4780万台、10~12月期で8010万台と市場予想よりやや強めで見ていたが、投資判断のニュートラル、目標株価の240ドルは据え置いていた。中国当局の減税策で個人消費が持ち直すとみられるとしつつ、アップルの業績については慎重だった。

<アップルの四半期iPhone販売台数のトレンド推移>


(注)QUICK FactSet Workstationより作成

一方、アップルに強気のパイパージャフレーは22日付のリポートで、投資判断のオーバーウエイトと目標株価250ドルを据え置いた。10代を対象にした調査でiPhoneやApple Watchの人気が高かったとし、「アップルのブランド力は10代の若者の間で無傷だ」と指摘した。
その上で、iPhoneの買い換えが進むスーパーサイクルに関しては、今年初めの時点でiPhoneXに買い換えなかった人達に「価格が高い、画面が小さい」という不満があったことを紹介しながら、「現在は画面が広いXS Maxと、価格が安いXRという選択肢がある」と指摘。「2019年通期にアップルは2億2300万台(市場予想は2億1800万台)のiPhoneを販売すると見込まれ、機種が増えたことで買い換えサイクルは2020年までのスーパー・ロング・サイクルを迎えるだろうと指摘した。

米国や日本に限ればパイパーのような強気の見方もできそうだが、アップルを巡ってはトランプ政権による対中関税策の影響が警戒されている。9月に実施された対中関税第三弾ではかろうじてApple Watchなどの適用は免れたものの、第四弾が発動された場合、中国で部品を組み立て・製造しているiPhoneなど主力製品への影響は避けられないとみられている。ブルームバーグは29日、「11月に予定されている米中首脳会談が不調の場合に備え、米国が全ての中国の品目に対する追加関税を12月初旬までに発表する用意がある」と報じており、トランプ政権としては貿易戦争の手を緩めないもようだ。
アップルが業績見通しでiPhone販売台数を示すことはないため、中国需要を占う上で10~12月期の売上高見通しが従来にも増して関心を集めそう。カンファレンスコールでは対中関税の粗利益への影響のほか、中国の景気減速懸念を払拭するようなコメントが発せられるのかどうかポイントになりそうで、相場が不安定な中、1兆ドルの時価総額を維持できるか正念場を迎えている。(片平正ニ) 

 

※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

 

 


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