アナリストによる主要企業の業績予想の変化を示すQUICKコンセンサスDI(12月末)は、金融を含む全産業ベースでマイナス24と、前月(マイナス17)から7ポイント悪化した。2016年9月(マイナス27)以来、2年3カ月ぶりの低水準となった。内訳は「強気」が51銘柄(全体の12%)、「変化なし」が225銘柄、「弱気」が152銘柄(全体の36%)だった。
QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出する。DIがマイナスなら、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っていることを意味している。5社以上のアナリストが予想している銘柄が対象で、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかが分かる。
業種別でみると算出対象の16業種のうち、DIがマイナスだったのは13業種。「化学」が前月のプラス4からマイナス29と、33ポイント低下しているほか、「電機」が14ポイント、「情報・通信」が12ポイントと悪化した。一方、プラスは2業種、変わらずは1業種だった。
個別銘柄では、3カ月前の予想純利益と比較して下方修正率が最も大きいのはLINE(3938)の94%だった。2018年1~9月期の連結決算(国際会計基準)で最終損益が60億円の赤字(前年同期は120億円の黒字)だったことを発表して以降、18年12月期通期の業績に対する不透明感が強まった。
一方、ふくおかフィナンシャルグループ(ふくおか、8354)は予想純利益が9月末の528億6200万円から848億4300万円へ引き上げられ、上方修正率のトップにランクインした。18年11月12日に発表した18年4~9月期決算で経常利益を従来予想の745億円から755億円に上方修正していた。(ナレッジ開発本部)