QUICKコメントチーム=丹下智博
国際通貨基金(IMF)は15日改定した世界経済見通しで、2019年の成長率を3.0%と予測し、7月時点から0.2ポイント下方修正した。四半期ごとの改定で、5期連続での下方修正だ。世界経済は3%成長が好不況の境目とされ、不況の瀬戸際に立っている。
世界景気が急減速する最大の要因として米中の貿易戦争を挙げ、中国の成長見通しを7月時点からさらに0.1ポイント引き下げ6.1%とし、18年の6.6%(実績)から大きく減速することを予想する。また、貿易戦争を仕掛けた米国も7月時点から0.2ポイント下方修正され、勝者のない戦いであることが示された。
また、ユーロ圏や中国での新排気ガス規制など各国特有のショックも原因となって自動車産業が後退したこともあり、大手ノンバンクが経営破綻したインドの19年成長見通しは0.9ポイントも引き下げられた。
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