QUICK資産運用研究所 小松めぐみ
人工知能(AI)が長期投資をサポートするサービスが始まった。この新しい機能を導入したのは、ロボアドバイザー(ロボアド)大手のウェルスナビ(東京・渋谷)。長期投資に挫折しそうな顧客に対し、AIを活用して最適なアドバイスをする。
ロボアドは、コンピューターのプログラムが顧客に合った資産配分を提案し、自動で運用までしてくれる仕組み。ウェルスナビはこれにAIによるサポート機能を組み入れ、顧客が資産運用を長く続けられるように手助けする。
ウェルスナビが目指すのは、「お客様に寄り添うAI」。2017年10月から東京大学大学院松尾豊教授の研究グループとAIによる資産運用アドバイスについて共同研究を進めてきた。まずは投資をやめてしまいそうな顧客のサポートから始める。
大量の過去データをもとに学習したAIが長期の資産運用から離脱しそうな顧客を見つけ、一人ひとりに適した方法でアドバイスをする。実際に助言する場合にはメールで送るのがいいのか、アプリ上の画面に表示するのがいいのかなどもAIが顧客ごとにカスタマイズする。
2020年にかけて効果を検証し、AIがより幅広い顧客の悩みに応えられるよう機能を改良していく。顧客が増えればAIの学習データも多く集まるため、精度の向上も見込める。ウェルスナビの預かり資産額は増加傾向にあり、9月初めに1700億円を突破した。
◇ウェルスナビのプレスリリース