QUICK Market Eyes=池谷信久、片平正二
7日に発表された1月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比22万5000人増とQUICK FactSet Workstationによる市場予想(16万2000人)を大きく上回った。経済指標の結果と市場予想との乖離(かいり)を示すエコノミック・サプライズ指数は45.4と9月25日以来およそ4カ月半ぶりの水準に上昇した(黄棒)。
同指数と米インターコンチネンタル取引所のドル指数(青線)の連動性は高く、ドル指数は10月10日以来およそ4カ月ぶりの高値を付けた。米経済指標の底堅さは、ドルの下支え要因になりそうだ。

※サプライズ指数(黄色)とドル指数(青)は連動性が高い
■季節外れの天候要因が背景か
ゴールドマン・サックスは7日付のリポートで「東部とオハイオの季節外れの乾燥した天候が建設業で4万4000人増えたことに寄与した可能性が高く、天候要因が全体の雇用の成長を約3万人押し上げたと我々は考えている」と指摘した。さらに「公共部門の雇用が1万9000人増で堅調だったことは国勢調査の1万人分で後押しされた可能性が高い一方、平均時給は前年比3.1%増で前回(3.0%増)から0.1パーセントポイント上昇しただけだった」とも指摘。その上で「今回のリポートは今年、米国内の景気が改善するが、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を据え置くという我々の予想に沿ったものだ。金融政策に関するインプリケーションはないと思われる」と締めくくっていた。

※米国の非農業部門雇用者数