【日経QUICKニュース(NQN)】米セントルイス連銀のムサレム総裁は米東部時間10月7日夕の講演で、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策について「時間の経過に伴い、より段階的な利下げが適切になる」と語った。インフレ率が目標である2%に向けて想定よりも速いペースで下がっていたのを踏まえて9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.5%の大幅利下げを支持したと明かし、今後も利下げを続ける考えを示した。
足元の経済状況を踏まえると「早すぎる金融緩和がもたらすコストは、遅すぎるコストよりも大きい」との考えを示した。そのうえで「忍耐はFOMCが物価安定を求めるうえで役立っており、現在も適切だと考えるが、政策金利の調整の規模やタイミングについて予断を持っていない」と具体的な言及は避けた。
4日発表された9月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数の増加幅が市場予想を大きく上回り、市場ではFRBの大幅利下げ観測が後退している。米ブルームバーグ通信によると、ムサレム氏は講演後の質疑応答で雇用統計について「私の基本的な見通しを大幅に修正させる内容ではなかった」と述べた。