QUICK Market Eyes=片平正二, 川口究, 大野弘貴
17日の日経平均株価は3日続落した。新型肺炎の感染者増大で経済への影響が警戒された。加えて取引開始前に内閣府が発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値が年率換算でマイナス6.3%と急減、5四半期ぶりのマイナス成長も嫌気された。今晩は米国市場が祝日で休場となるため市場参加者が限られ、東証1部の概算売買代金は2兆円にとどまった。市場センチメントが再び冷え込む中、QUICKがプロ向けに提供するコメントサービス「QUICK Market Eyes」の取材では以下のような声が聞かれた。
■新型コロナで打撃を受けそうな銘柄に売り
「きょうは米国市場が休場のため、外国人投資家のフローはほとんど無く、各社の現物フローは売り買いまちまちですね。一部の大手国内証券で朝方買い越しだったのが売り越しに転じた他は、トントン、やや買い越しなどといったくらいです。一部、OLC(4661)など新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けそうな銘柄に売りが来ているところもあります」(トレーダー)
■「マクロ系から売り」との声
「CTA(商品投資顧問)は基本的に順張りですが、足元では様子見姿勢を強めています。2万4000円を明確に上回るまでは、買い姿勢に転回しないかと。マクロ系は新型コロナウイルスの影響があるとは言え、依然として米国経済が好調なので、基本的にロング目線を維持しているとみられます。ただ、景気悪化基調が鮮明になるようであれば、売りスタンスに代わる可能性もあります。この場合、買い主体がいなくなる可能性があり注意が必要と考えています」(国内証券ストラテジスト)
■悲観論一色ではなく…
「19年10~12月期の企業決算が事前に想定されていたよりも悪い内容で、本日発表されたGDP(国内総生産)も市場予想よりも悪い内容でしたが、当面は日経平均株価で2万3000円を下回って推移するような展開は考えてません。タイ・フィリピン・ロシアなどエマージング諸国で利下げが行なわれているので、過剰流動性が相場を下支えする格好です。暖かくなれば新型コロナの感染も収束に向かうでしょうから、今を買い場と捉えている方も多いのではないでしょうか」(国内運用会社ストラテジスト)
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