QUICK企業価値研究所アナリスト 山藤秀明(2020/03/25)
・新データセンターの稼働率高まり設備増強
20/5期3Q累計の営業利益は前年同期比9%増の463億円になった。四半期では12四半期連続の営業増益。注力するクラウドサービス(ネットを介した情報サービス)の需要が強い。昨年5月に開設した新データセンターの稼働率も高まり設備を増強している。
・企業の情報化投資旺盛。新型コロナの影響みられず
企業価値研究所は業績予想を据え置く。20/5期の営業利益は前期比3%増の644億円で最高益更新見込み。クラウドサービスが好調なうえ、企業の情報化投資も旺盛。現時点では新型コロナウイルスの影響はみられない。中期的にも最高益が続く見込み。クラウドサービスは情報システム構築および運用の両費用が軽減されるため、情報化投資が遅れている中堅・中小企業での導入が進むとみている。IoT(モノのインターネット)や5G(第5世代移動通信)の普及によるデータ取扱量の増加も業績拡大の追い風になろう。
・増配での株主還元強化等、余剰資金活用が課題
安定的な業績拡大もあり余剰資金が積み上がっている。増配での株主還元強化を中心に余剰資金の活用が課題。
・リスクファクター ~急激かつ長期の景気悪化
・アナリストの投資判断 ~当面は値動き荒い展開か。中長期投資対象との評価不変
当研究所は、「当面の株価は値動きの荒い展開が続く」とみている。新型コロナウイルスの影響は相対的に小さいが、世界経済や金融市場の先行きは厳しく、同社の株価も相応の影響を受けよう。ただ、安定的な業績拡大や良好な財務内容などから「基本的には中長期的な投資対象銘柄」との評価は変えていない。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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