31日の東京株式市場で日経平均株価は続落。前日比167円96銭(0.88%)安の1万8917円1銭で終えた。米国株高を受け朝高で始まったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長期化することが警戒された。3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が急回復し、中国の景気回復への期待感から、東証株価指数(TOPIX)は前引けで小幅高だった。かえって日銀の上場投資信託(ETF)買いが入らないとみて後場に売りが出たとの指摘も聞かれた。
注目を集めた個別株の値動きは以下。
SBI(8473)― レオス・キャピタルワークスを連結子会社化
SBIホールディングスは31日午後1時15分、投資信託運用会社のレオス・キャピタルワークスを連結子会社化するため、株式を取得すると発表した。既存株主から発行済株式数の51.28%にあたる株式を取得することで基本合意書を締結したとしている。SBIが提供する金融サービスに厚みが増すとして、ポジティブ材料と受け止められたと考えられ、発表直後は急伸した。
日水(1332)― 6日ぶりに反落、「巣ごもり」人気も上昇一服で
日中高値は寄り付き直後の前日比1円安の516円で、上値が重くなったとみて売りを出すきかっかけとなったようだ。足もとでは外出自粛に伴う買い置き需要の高まりが思惑となり、冷凍食品を生産・販売する日水も「巣ごもり」関連銘柄として買われていた。
ビックカメラ(3048)― 大手証券は目標株価下げ「新型肺炎の影響相対的に大きい」
大手証券は30日付リポートで目標株価を1600円から1300円に引き下げたもよう。新型コロナウイルスによる影響を考慮し、2020年8月期の連結業績予想を減額修正したようだ。また目標株価は業界平均PER(株価収益率)の低下に加えて、インバウンド(訪日客)売り上げ構成が7%と比較的大きく、新型肺炎の影響を相対的に大きく受ける点を考慮し、ディスカウント率を拡大したという。ただ、影響が一巡する21年8月期は単体のEC(電子商取引)とコジマが業績成長をけん引し、急回復に向かうとみているもよう。
イオン(8267)―「4月1日から中国全施設で通常営業」=日経
消費者の「巣ごもり」化に伴う食品の買いだめ需要の増加やネットスーパーの利用増、傘下のドラッグストアの堅調などへの期待感から株価の戻りが早くなっていた。
30日午前配信の日本経済新聞電子版は4月1日から中国全土の「イオンモール」で通常の営業体制に戻ると伝えた。中国市場の正常化への期待感も支えとなっているもよう。
もっとも、株価は3月13日に直近安値(終値ベース)を付けてから急ピッチで戻しており、上値では利益確定売りも出やすく伸び悩む場面も目立つ。
多摩川HD(6838)― 20年3月期の純利益2.9倍に上方修正
多摩川ホールディングスは31日午後12時30分に2020年3月期連結決算の業績予想修正を発表した。連結子会社が保有する発電所の譲渡で土地売却について4200万円の特別損失を計上するとしたが、純利益は前回予想を5700万円上回る、前期比2.9倍の3億7700万円になりそうだとした。相対的な利益水準は小さいが、変化率が大きいことから買いが入ったとみられる。