QUICK Market Eyes=弓ちあき
7日の東京市場で富士フイルムホールディングス(4901)が大幅反落した。前日比5.46%安の5829円で取引を終えた。後場には一時、下落率は7%に達した。足元の株価上昇による過熱感から利益確定売りが膨らんでいる。足元で急伸しただけに短期的な利益確定売りに押されやすいが、中長期的には「優良銘柄」としての期待値が高まっている。
■卓越したESG企業に?
富士フイルムは子会社の手掛ける抗インフルエンザ治療薬「アビガン」が新型コロナウイルスの治療薬候補として期待されている。SMBC日興証券は6日付リポートで、仮にアビガンの効果が確認されて広くその使用が進み、新型コロナウイルス感染症の終息に寄与することができれば、卓越したESG(環境・社会・企業統治)の「S(社会)」企業としてその貢献が評価されると指摘しているようだ。
またSMBC日興では①承認条件付きで政府備蓄として出荷される段階、②治験が終了して薬事承認され一般流通する段階の2段階で業績へ寄与する可能性があると指摘。現状は①の確度が高まりつつある状況とみている。
独アラベスク社のESGスコアで富士フイルムは64.53と、日本の耐久消費財企業の中では相対的に上位に位置している。なお、同スコアは3カ月前比で8.16%(6日時点)上昇した。
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