QUICK Market Eyes=根岸てるみ
初診患者へのオンラインや電話での診療がきょう13日から始まる。新型コロナウイルスの問題が収まるまでの期間限定だが、今後の医療の在り方が変わりそうだ。株式市場では変化の芽をいち早くつかもうという動きがみられる。
■新興市場で2位、オンライン診療システムのメドレー
10日の東京株式市場でオンライン診療システムのメドレー(4480、マザーズ)が前日比427円(18.1%)高い2780円まで上昇し、上場来高値を更新した。個人投資家の買いを集めて、新興市場で売買代金は2位だった。同社はクラウド診療支援システム「CLINICS」、医療メディア「MEDLEY」など、医療ヘルスケア領域におけるインターネットサービスを開発・提供している。このほか遠隔医療関連はリクルートホールディングス(6098)や日立(6501)、エムスリー(2413)など16銘柄が対象となる。
<主な遠隔診療の関連銘柄>
■「遠隔医療指数」
QUICK Workstationでこれらの銘柄を合成指数化し「遠隔医療指数」の騰落率を調べた。WHO(世界保健機関)がパンデミック(世界的大流行)を宣言するなど、ウイルス蔓延が深刻化した3月から4月10日までの騰落率は6%上昇し、日経平均株価(約10%下落)を16%アウトパフォームした。けん引役はメドレーで11%上昇して合成指数全体を押し上げた。
過去3年と長い期間でみても遠隔医療指数が59%上昇、日経平均が6%上昇と大きく差が開いた。シャープレシオが0.78と日経平均(0.19)より効率よくリターンを得ていることも注目だろう。
■リクルートや日立は・・・
一方、足元と長期の両局面で冴えない値動きだったのは、リクルートや日立といった時価総額が大きい銘柄。こうした銘柄は主力事業が異なることやベンチャーキャピタルを通じて遠隔医療関連の企業に出資しているため、市場拡大の恩恵をダイレクトに受けにくい面がある。例えばリクルートは、健康保険組合向け遠隔医療サービス 「DoctorsCrowd」を展開するメドケアに出資した経緯がある。メドケアに出資している企業には、中部電力(9502)、ハウス食品グループ(2810)、ココカラファイン(3098)、三井物産(8031)、ユーグレナ(2931)などもある。
■期待は続く、遠隔医療関連銘柄
調査会社の富士キメラ総研(東京・中央)が3月9日に公表した「ウエラブル/ヘルスケアビジネス調査 2020」によると、「医療・介護・サポート市場は高齢者人口の増加とともに市場拡大が予想されるという。2024年の市場規模は19年比69%増の3939億円と試算している。なかでも規模が大きいのは高齢者見守りサービスだが、遠隔診療サービスは規模が小さいが伸び、介護支援システムは堅調な需要が期待される」との見方を示した。
足元の遠隔医療関連銘柄は日替わりの材料株として物色されているが、今回の新型コロナウイルスの問題で遠隔医療の重要性が高まった。今後は時価総額が大きい銘柄も成長分野とみなし出資や子会社での事業立ち上げなど本腰を入れる可能性がある。物色の幅が広がれば息の長いテーマになりそうだ。
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