QUICK企業価値研究所アナリスト 中村宏司(2020/05/19)
・21/3期の事業損益は赤字が続くと予想
企業価値研究所では21/3期の事業損益を1540億円の黒字→430億円の赤字(20/3期は2844億円の赤字)と従来予想を下方修正した。新型コロナウイルスの感染拡大により、国内外の経済活動が停滞していることから、鋼材需要も大幅な減少が避けられない状況となっていることを考慮した。前期比では鋼材出荷量の減少に加え、生産設備の稼働率の大幅な低下に伴うコスト増などを見込み、事業損益は赤字が続くと予想する。
・22/3期は鋼材需要の回復で黒字転換を予想
22/3期の業績予想も下方修正したが、国内外ともに経済活動の再開による鋼材需要の増加を背景に事業損益は黒字への改善を予想する。23/3期も鋼材需要は増加傾向が続き、事業構造改革による生産性の改善等が進み、増益基調が続く見通しである。
・前20/3期は減損計上で事業利益は赤字に転落
20/3期の事業損益は2844億円の赤字(19/3期は3369億円の黒字)。減損損失の影響を除くと事業利益は同77%減の765億円。製鉄事業において原料価格の上昇などが利益を圧迫し採算が悪化した。
・リスクファクター ~自動車生産、原材料価格など
・アナリストの投資判断 ~株価は上値の重い展開が続く
株価指標面では20/3期実績連結PBR0.30倍と割安な水準にある。ただ、新型コロナウイルス感染拡大により世界経済の先行きが不透明な状態にあることから、株価は上値の重い展開が続くと考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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