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富士通(6702) 今21/3期は営業減益予想だが、中期的な収益性改善シナリオは変わらわず

QUICK企業価値研究所アナリスト 豊田博幸(2020/05/21)

・新型コロナもあり、今21/3期は5%営業減益を予想
 20/3期4Q3カ月の連結営業利益は全社的な固定費圧縮なども進み前年同期比41.3%増の900億円と、3四半期連続で増加。今後も5G(第5世代移動通信システム)向けサービスの拡大が期待できるが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などもあり、企業価値研究所による21/3期連結業績予想は、売上収益を3兆9300億円→3兆7900億円(前期比2%減)、営業利益を2100億円→2000億円(同5%減)に減額する。前提為替レートは1ドル=108円、1ユーロ=118円。為替レートの変動が営業利益に与える影響額(年間)は変動幅1円当たりでドルが2億円、ユーロは1億円とみている。

・20/3期通期は62%営業増益
 20/3期通期の連結業績は、売上収益が前期比2.4%減の3兆8578億円、営業利益が同62.4%増の2115億円。国内サービス事業の好調や、Windows7のサポート期限終了に対応したPC販売の好調が営業増益に貢献した。為替影響は売上収益に対して477億円のマイナス、営業利益に対して38億円のマイナスだった。

・リスクファクター ~海外展開力の弱さ

・アナリストの投資判断 ~新型コロナの影響が懸念されるが、株価上昇を予想
 5Gサービス向けの需要が拡大傾向にある。今後は5G関連の需要拡大のメリットを享受することになろう。過去5年間の予想連結PERの平均は約13倍に対して、当研究所による21/3期予想PERはほぼ同水準だが、新型コロナウイルス感染の拡大の影響がほぼ無くなるとみている22/3期・23/3期予想の平均PERでは割安感がある。中期的な収益性改善シナリオを映し、株価上昇を予想する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

豊田 博幸

調査部長

電機・精密担当


【プロフィール】
1985年、東京証券(現東海東京証券)入社。企業アナリストとして主に自動車、機械など製造業中心に担当したほか、投資情報業務にも従事。営業企画部や経営企画部など経営企画部門も経験。2000年、QBR(現QUICK企業価値研究所)に勤務。2011年より調査部長、現在に至る。「森羅万象、無駄になる情報は無し」を信条に、調査活動に従事する。


日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 電気・精密機器専門部会 評価実施アナリスト


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