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東京瓦斯(9531) 今期は原料費が大きく減少し業績を支える見込み

QUICK企業価値研究所アナリスト 佐久間聰(2020/05/25)

・当研究所今期経常予想は前回1130億円→1170億円
 企業価値研究所では、今21/3期の連結経常利益は前期比14%増の1170億円を予想。前回予想(1130億円)から小幅増額する。新型コロナウイルスの影響で都市ガス販売量を引き下げた影響はあるものの、大幅な原料安で原料費の負担が大きく軽減することから、主力であるガス事業のセグメント利益を増額したため。電力事業は顧客獲得に係る小売販売経費などの負担が重いとみてセグメント利益を引き下げた。また、海外事業、不動産事業もそれぞれ減額したがガス事業が上回る見通し。前期比でもガス事業の採算改善で増益を見込む。

・22/3期経常利益は14%減、23/3期は5%増を予想
 当研究所では、22/3期の連結経常利益は前期比14%減の1010億円、23/3期は同5%増の1060億円を予想。22/3期は前回予想(1170億円)から引き下げる。自由化による競争激化でガス事業のセグメント利益を引き下げたことが主因。電力事業も小売販売経費の負担増などを考慮し減額した。前期比では、22/3期はガス事業で今期の利益を押し上げる原料費調整制度に基づく料金転嫁のタイムラグによる影響額が無くなるとみていることから連結全体でも減益を予想する。23/3期は、電力事業の顧客増を主因に増益を見込む。

・リスクファクター ~新型コロナ、原油・為替など

・アナリストの投資判断 ~指標面で割安感があるため下値不安は小さいとみている
 過去10年間のレンジと比較すると、特損を計上し異常値となった前期を除けば、予想PERや実績PBRなど株価指標面では割安感があるため下値不安は小さいとみている。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

佐久間 聰

シニアアナリスト

石油・鉱業および電力・ガスセクター担当


【プロフィール】
大学卒業後、証券会社に入社し、支店で営業職に従事。個人・法人顧客の開拓などに取り組む。その後、QBR(現QUICK企業価値研究所)調査部に転じてアナリスト職に就き、エネルギーセクターを中心に担当し、現在に至る。
営業職時代に個人投資家とプロである機関投資家との間に大きな情報格差があることを感じたことが原点。中立的な立場での企業分析を掲げているQBRに入社後は、冷静な視点を心がけ、過激な表現を用いないよう注意し、公正で偏りのない投資情報の作成に努めている。


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