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住友化学(4005) 業績予想を下方修正。今期も大幅な減益に

QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2020/05/26)

・新型コロナによる需要低迷などが響く
 21/3期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上収益2兆4400億円→2兆1100億円(前期比5%減)、コア営業利益1450億円→670億円(同49%減)へ引き下げる。従来は、20/3期が石油化学部門の採算悪化などで大幅な減益となり、21/3期はこれとの比較で健康・農業関連事業部門が回復するものの、石油化学、医薬品の両部門は採算悪化と戦略提携に伴う費用増で落ち込みが続き、連結全体でコア営業利益は小幅減になるとみていた。20/3期の実績がその際の想定を下回ったうえ、新型コロナウイルスの影響などで足元では一段と市況が下落して採算も悪化。自動車分野などでの需要低迷も厳しく、今期も連結全体で大幅減益となる見通しだ。22/3期以降は新型コロナの影響も解消して業績は回復に向かうが、19/3期以前と比較して利益は低水準にとどまろう。

・前期は主要全部門がいずれも苦戦
 20/3期の連結コア営業利益は、前期比35%減の1327億円。石油化学部門をはじめ、各部門とも数量減と採算悪化などで苦戦し、連結全体で業績は大きく悪化した。

・リスクファクター ~新型コロナ影響の長期化など

・アナリストの投資判断 ~当面は軟調な株価推移が続く見通し
 18年から軟調に推移していた株価は、新型コロナウイルスの流行に伴う株式相場全体の急落を受けて一段と下落。その後も低調に推移している。直近では、新型コロナの影響が解消する来期の当研究所予想連結PERで約10倍と、総合化学メーカーの平均をやや上回る。この期の業績は大幅な回復が見込めるが、医薬品部門での費用増もあって過去の利益水準を大きく下回る公算が大きい。同社のPERは総合化学メーカーの平均を上回る傾向が強いが、こうした環境下では同平均並みとなる9倍程度の評価が妥当であり、当面は軟調な株価推移が続くと考える。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

伊藤 健悟

シニアアナリスト

化学・繊維セクター担当


【プロフィール】
大阪大学経済学部卒業。山一證券入社、メリルリンチ日本証券を経て、現在に至る。
山一證券在籍時は個人向け営業に従事。マクロ、ミクロの両面からの事業環境・経営状況の分析に加え、その際に培った個人投資家の視点も重視しつつ、レポートの作成や講演などを行うことを心がける。


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