日経QUICKニュース(NQN)=長田善行
「ショートスクイーズ」、いわゆる空売りした投資家による損切りの買い戻しに市場関係者の関心が集まっている。米巨大IT企業5社の空売り残高は4月に1兆円近く解消されたとみられる。5月も買い戻しは続き、米株式相場の上昇の原動力となっているが、そろそろ一巡する可能性がある。一方、東京株式市場では信用取引による空売りが増加中だ。空売りをこなしながら上昇しており、相場の息は長いとの見方もある。
■ナスダックの上昇をけん引
米ナスダックによると、グーグルの持ち株会社アルファベットとアップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムにマイクロソフトを加えた「GAFAM」の空売り残高は、4月の1カ月間で株数ベースで19%減った。
各社の売買高加重平均株価(VWAP)で推計した買い戻し額はアマゾンが約30億ドル、アップルが約24億ドル、マイクロソフトが約19億ドルに上り、合計は87億ドル(約9300億円)に達する。
GAFAMが含まれるナスダック総合株価指数は4月に15%上昇した。けん引したのは買い戻しだが、5月の上昇率は26日時点で5%に鈍化した。買い戻しが一巡した可能性がある。
4月の売り残高の減少率が5社で最も大きかったアマゾンの場合、4月末時点の空売り残は351万株。2月末時点の水準まで低下した。
■日本「買い戻しを迫られる可能性がある」
日本はどうか。東京証券取引所がまとめた5月22日申し込み時点の信用取引の売り残高(東京・名古屋2市場、制度信用と一般信用の合計)は8320億円。4月3日時点に比べ14%増加した。
個人投資家など逆張り志向の投資家が、相場の高値圏にあって信用売りに動いたことが増加の背景にあるとみられている。日本でも米国のように「今後、売り方が損失回避のための買い戻しを迫られる可能性がある」(大和証券の壁谷洋和氏)との声があった。
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