ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)」(42311081)は10日の決算で、1万口あたりの分配金を前月の15円から5円に引き下げた。2018年9月以来の引き下げで、08年3月に分配金の払い出しを始めてから最低水準となった。
同ファンドは新興国の高配当利回りの株式に投資する。最新月次レポート(5月29日時点)では中国(香港含む)への投資が約3割で最も大きい。10日時点の純資産総額(残高)は1211億円で、国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)のうち、新興国株式型(QUICK独自の分類)では2番目の大きさだった。年初からは100億円弱の資金が流出している。
10日時点の年初来リターン(分配金再投資ベース)は16.4%のマイナス。基準価額が年初来最安値をつけた3月23日からは27.1%持ち直している。
ピクテ投信投資顧問は分配金について、「基準価額の水準と、新型コロナウイルスの企業業績等への影響と信用収縮の懸念など先行き不透明感等も考慮して」引き下げたとした。(QUICK資産運用研究所=西本ゆき)
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