QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2020/07/06)
・テナント入替時に賃料引き下げ圧力が強まる見通し
連結事業損益の企業価値研究所予想は業績表の通り。今期は新型コロナウイルス影響が大きく赤字へ。前回予想では来期以降のV字回復を見込んでいたが、パルコを中心に大幅減額。経営基盤が脆弱な発掘・育成型テナントへの支援費に加え、これらの撤退による「パルコらしさ」消失などからテナント入替時に賃料引き下げ圧力が強まる見通し。百貨店も来期以降の売上高を前回より厳しめに見込み、事業利益予想を引き下げた。今期配当の会社計画は減配ながら安定性を重視し27円/株。来期始動する新「中計」で現「中計」ROE目標(8%以上)持ち越しは非現実的だが、株主還元強化には引き続き注目。
・消費行動変容リスク回避に向け変革加速に期待
当研究所予想には前回同様、テレワーク定着による都心基幹店の集客力低下やビジネス関連・化粧品の需要縮小、ネット通販、「コト」消費への移行加速など、アフターコロナ、ウィズコロナにおける消費行動変容に伴うリスクは織り込んでいない。新「中計」では、これらの回避に向け、大丸心斎橋店新本館(昨秋開業)、新生渋谷パルコ(同)で取り組んだ変革の迅速な横展開や事業ポートフォリオの変革加速に期待したい。
・リスクファクター ~新型コロナの影響長期化など
・アナリストの投資判断 ~実績PBR0.5倍、今期計画配当利回り4.0%で下値リスクは限定的
「第2波」への警戒感から株価は3カ月ぶりに年初来安値を更新。実績PBR0.5倍はリーマンショック直後からアベノミクス始動直前までの最低値と同水準。配当利回り(今期会社計画)4.0%も考慮すれば、下値リスクは限定的とみる。10月に方向性が示される新「中計」で、アフターコロナ、ウィズコロナに向けた変革が加速するかが注目される。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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