14日の米株式市場でナスダック総合指数は反発し過去最高値圏を維持した。日本の個人投資家の間でも関心の高い米ハイテク株。本国では強気の声が依然として聞こえているようだ。
■SOXはまだ上がる
エバコアISIは14日付リポートで、この数日間、76の機関投資家を対象としたテクノロジーセクターにおけるサーベイ結果を公表した。調査結果によると、全体の63%が半導体株に対し「オーバーウエート(強気)」の見方を示し、4月時点の45%を上回った。「イコールウエート(中立)」は4月の約40%から約28%に、「アンダーウエート(弱気)」は約14%から約9%にそれぞれ低下した。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)がピークを付けたかとの設問に対し、88%の回答者が「まだピークに達していない」と回答し、SOXの更なる上昇を見込む回答が圧倒的だった。
また、80%が足もとの環境が半導体企業の業績に対してプラスのカタリスト(触媒)になると回答した。2020年を通して、どの製品向けの半導体企業を好むかとの設問に対して、4月に最も回答数が多かったコンピューター向け半導体(インテルやエヌビディアなど)は48%から16%に急落。一方、アナログ半導体企業(TIやADI、マキシム・インテグレーテッドなど)は11%から32%に上昇した。
■機関投資家の集中投資
またバンクオブアメリカが7月に行ったグローバル・ファンドマネジャー調査によると、74%もの回答者が「米情報技術(IT)関連銘柄の買い」を挙げたという。14日付のリポートによれば、この比率は同調査開始以来で最も高いものになったとのこと。米主力ハイテク株に対する集中投資(crowded trade)が強まっていることが示された。
一方で最も大きなテールリスクとして、52%が「新型コロナ感染拡大の第2波」と回答したという。バンカメは「これら2点を解消させるカタリストはコロナワクチンの開発だろう」と指摘した。
主要国・地域別の株式配分では米国株をオーバーウエイトにしているとの回答からアンダーウエイトにしているとの比率がプラス21%となり、前月から1ポイント低下した。しかし、米国株は依然として最も人気の高い市場だという。日本株に関しては同2ポイント低下し、マイナス3%になった。中立にしているとの回答は主要国・地域の中で日本株が最も高かったといい、横ばいが続く指数同様、モメンタムに乏しい状況がうかがえる。(QUICK Market Eyes=大野弘貴、片平正二)