半導体大手のザイリンクスが30日夕に発表した2020年4~6月期決算は1株利益が0.35ドルと市場予想(0.55ドル)を下回った。データセンター向けは好調だったが、次世代通信規格「5G」など含む通信機器向けが低調だった。これまで上昇基調にあった株価は30日夕の時間外取引で下げている。
■データセンター向けは伸びたが・・・
売上高は前年同期比14%減の7億2667万ドルとQUICK・ファクトセットがまとめた(7億2400万ドル)をやや上回った。通信機器向けが33%減、自動車・放送向けが29%減った。一方、データセンター向けは2倍以上に増え、全体の売上高に占める比率は5%から12%に拡大した。地域別では欧州が39%減、日本が18%減、北米が6%減だった。
純利益は61%減の9383万ドルだった。減収に加え、生産コストの増加や金融収支の悪化が響いた。7~9月期の売上高は7億3000万~7億8000万ドルを見込み、市場予想(7億3020万ドル)は上回る。
コロナ禍での業績低迷が想定ほどはないとして、6月下旬に4~6月期の売上高見通しを引き上げていた。4~6月期は米政府による中国企業との取引規制の強化前に中国企業の駆け込み需要があったという。
ザイリンクス株は30日夕の時間外取引で下げている。通常取引を前日比3.8%高の111.87ドルで終えた後、一時は107ドル台と終値を4%下回った。
※ザイリンクスの株価(30日通常取引の終値まで)
(NQNニューヨーク 古江敦子)