Zホールディングス(4689)が7月31日にオンラインで開いた2020年4~6月期連結決算の説明会では「コマース(Yahoo!ショッピング、ZOZO、ヤフオク!など消費者向け事業)」「メディア(広告事業)」「PayPay(ペイペイ)」などが焦点になった。説明会の内容をテキストマイニングにより分析した。
20年4~6月期の営業利益は506億円と、前年同期比40%の大幅増益だった。19年に連結対象としたZOZOの収益が押し上げたうえ、巣ごもり需要がEC(電子商取引)の追い風とあり、コマース事業の営業利益が初めてメディア事業を上回った。
メディア事業は新型コロナウイルスがマイナスとなった。旅行や人材メディアへの広告出稿が減少し、広告関連の売上高は前年同期比で微増にとどまった。
同社は証券・銀行・クレジットカードなど金融のサービスブランドをすべて「ペイペイ」に統一することも発表した。3000万人超が利用するスマートフォン決済のブランドを全サービスで活用し、多様なサービスの利用が可能になる「スーパーアプリ」を目指す。
説明会での質問は「ペイペイ」に関するものが多かった。小澤隆生専務は「ペイペイは赤字ではあるものの、ショッピングサイトのペイペイモールは広告媒体として今後大きく伸びると予想される。ヤフーの強みであるオフラインの消費も取り込んでいき、さらなる成長を狙いたい」と強調した。
川邊健太郎社長兼最高経営責任者(CEO)は、説明会の最後で「コロナ禍の中、難しいかじ取りではあるが増収増益を見据えて経営を進めていく。AI(人工知能)テックカンパニーになるという目標を標榜している以上、世界中の人々にデジタル化の恩恵を届けたい」との決意を表明した。(QUICK Market Eyes 阿部哲太郎)