11月の米大統領選挙まで3カ月を切った。QUICKと日経ヴェリタスが外為市場関係者を対象に実施した8月の共同調査で米大統領選・議会選の結果を予想してもらったところ、最も多かったのは「バイデン大統領誕生・上下両院で民主党多数」(38%)だった。その場合のメインシナリオはドル安・円高の進行になる。1ドル=102円台を予想する見方もあった。
「バイデン大統領になるが上院は共和党勝利」(18%)との回答を合わせ、56%がバイデン前副大統領の勝利を予想した。新型コロナウイルスへの対応や黒人差別問題でトランプ大統領に逆風が吹く一方、中道派で黒人女性のハリス上院議員を副大統領候補に据えたバイデン氏が一歩リードしている。
選挙結果のうち、最もドルが下落する組み合わせを聞いたところ「バイデン氏・民主党勝利」(54%)が多かった。富裕層増税や福祉拡充などを掲げる米民主党の躍進には警戒感が根強いが、これが最も可能性が高い組み合わせとみている。
JPモルガン・チェース銀行の佐々木融・市場調査本部長は「民主党の躍進に対する市場の反応は今のところ限定的だが、党大会など政策の具体化過程を注視する必要がある」と指摘する。
バイデン政権の注目政策を聞いたところ「対中国政策」(51%)が多く選ばれた。トランプ政権下でもつれた米中関係の先行きへの関心が高い。
トランプ氏が再選するとの見方も4割ほどあった。大統領選挙はもともと現職が有利だ。9~10月のテレビ討論会など逆転の機会も残っている。
ただ、その場合でも議会選は民主党勝利との予想が多かった。三菱UFJ銀行の内田稔チーフアナリストは「トランプ氏と議会が『ねじれ』状態となれば、財政政策が打てずバイデン政権よりもむしろ経済が悪化しかねない」と指摘する。
市場関係者の予想からは、バイデン氏、トランプ氏のどちらが勝っても経済が停滞する懸念が透ける。コロナ禍での低金利状態を抜け出せないとなれば「経常赤字通貨の米ドルは下落し、デフレ通貨の日本円は上昇する」(内田氏)という見方につながる。
調査では大統領選の投票日(11月3日)から年末までの円の対ドル相場の高値・安値も予想してもらった。バイデン氏勝利なら平均値で102円04銭~109円32銭、トランプ氏勝利なら103円24銭~110円40銭の間で推移するとの結果だった。
調査は8月11~12日に実施。金融機関や事業会社の外為市場関係者77名が回答した。