UBSは8月21日付リポートで、先週17日に安倍晋三首相が日帰り検診を受けたことに関して、「予期せぬ健康診断は、彼の健康状態が悪いのではないかという憶測を促した」と指摘。2007年にはストレス関連の潰瘍性大腸炎によってわずか1年で辞任しなければならなかったことから、首相の健康状態は、特に新型コロナウィルス発生後の支持率の低下と相まって、政治の焦点となっているとする。
一方で、「当面の辞任の可能性は低いと当社は考えている」との見解を示した。参院選で自民党が敗れた07年とは異なり、党内には辞任に追い込むような強い圧力はなく、安倍首相の支持率は低下しているが、自民党への支持率は比較的高いままであるほか、合流を検討している野党への支持率は全く上がっていないことが要因とみている。辞任するにしても安倍氏に近い自民党内で後継者が選ばれる可能性が高く、「政策の基本的な輪郭は変わらない」との見方を示した。(QUICK Market Eyes 川口究)